空き家を売却する際の税制優遇とは?税金の控除を受けるための要件も
こんにちは! 栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の星です。
親から相続した空き家を持て余していて、困っているという方はいませんか?
空き家を売却するには手間や費用、税金がかかるため、なかなか行動に移せない人も多いと思います。
しかし、不動産は持っているだけで維持管理費や税金がかかります。
一定の条件を満たしている空き家なら、売却するときに税制優遇を受けることもできるんですよ。
今回は、空き家の売却時に受けられる税制優遇について解説します。
税制優遇を受けるための条件や期限を知って、損をしないように空き家を売却しましょう!
空き家を売却する際にはどんな税金がかかる?
空き家であっても、不動産の売却で利益(譲渡所得)が出た場合には「譲渡所得税」がかかります。
譲渡所得は、不動産の売却価格から不動産を取得する際にかかった費用(取得費)や売却するのにかかった費用(譲渡費用)を差し引いて残った利益です。
建物の場合は、構造と築年数に応じて資産価値も目減り(減価償却)していくので、これも計算に含まれます。
●譲渡所得=売却金額-(取得費+譲渡費用)
- 取得費:不動産の当時の購入費用、仲介手数料、印紙代、不動産取得税など
- 譲渡費用:売却にかかった仲介手数料、印紙代、建物取り壊し費用など
譲渡所得に対して、所得税、住民税、特別復興支援税がかかります。
また、税率は所有期間によって異なります。
所有期間による税率の違いは、以下の通りです。
売却金額が購入費よりも安ければ譲渡所得は0円ですから、譲渡所得税はかかりません。
しかし、相続した不動産で当時の取得費が不明な場合もあるでしょう。
取得費が不明な場合は売却代金の5%を取得費として計算することができ、この場合は譲渡所得税が課税される可能性があります。
そのほか不動産を相続することで相続税や、不動産の名義変更で登録免許税などもかかります。
不動産を相続してから売却するまでの流れやかかる費用については、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています
亡くなった親の家を売る流れや注意点を解説!かかる税金も知ろう
空き家の売却では条件を満たせば税制優遇が受けられる!
高齢化や人口減少にともない、空き家の増加が日本全体の課題となっています。
空き家の放置は景観や防犯、安全上のリスクにもなるため、政府は空き家の売却や活用を促す取り組みを行っています。
その取り組みの1つとして2016年に導入されたのが、空き家売却時の税制優遇制度です。
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」ともいいます。
一定の条件を満たす空き家を売却した際、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。
つまり、空き家を売却した利益が3,000万円以下なら、譲渡所得税がかからないということになります。
この特例が適用できれば、多くのケースで譲渡所得税を抑えることができるのではないでしょうか。
「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」の特例を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
【売却期間】
- 2016年4月1日から2023年12月31日まで
【対象となる不動産】
- 1981年5月31日以前に建てられた物件
- 一戸建て住宅
- 相続直前まで、被相続人が1人暮らしをしていた家
※この3つ全てを満たしている必要があります。
【適用条件】
- 相続から売却までの間に、空き家を活用(居住、賃貸、事業用など)していない
- 物件が現行の耐震基準を満たしている
- 空き家を相続して3年が経つ年の12月31日までに売却すること
- 売却代金が1億円以下
- 売却先が親子や夫婦、生計を共にする親族などではない
※2021年11月時点での情報です
「相続直前まで相続人が1人暮らしをしていた」という条件については、相続直前に要介護認定などを受け、老人ホーム等に入居していた場合なども対象となる拡充が2019年になされました。
その場合には、相続開始時点に被相続人が、家屋を一時帰宅先や家財道具の保管場所などとして一定使用しているという条件が含まれます。
空き家の売却で税制優遇を受けるための必要書類や手続き
空き家の売却で税制優遇を受けるためには、確定申告をする必要があります。
空き家を売却した次の年の2月16日~3月15日の間に、必要書類を添えて相続人本人の管轄の税務署へ確定申告書を提出しましょう。
特別控除の適用を受けるために必要な添付書類は以下の通りです。
譲渡所得の内訳書
売却価格、取得費、譲渡費用などを確認するための書類。
税務署や国税庁ホームページにある様式をダウンロードし、自分で作成します。
登記事項証明書
売却した不動産の種類や建築日、相続による取得であることを確認するために必要です。
法務局の窓口で取得できます。
その他、郵送での請求、オンラインでの請求も可能です。
被相続人居住用家屋等確認書
被相続人が住んでいたことを確認するための書類で、自治体の窓口にて取得します。
相続直前に老人ホームに住んでいた場合などは、除籍謄本や介護保険被保険者証の写しなどを添付します。
耐震基準適合証明書又は建設住宅性能評価書の写し
建物の耐震性を確認するために必要です。
耐震基準適合証明書も建設住宅性能評価書も、指定の確認検査機関に発行を申請します。
現地での調査も必要となり、すぐに取得できるものではないため、早めの準備が必要です。
売買契約書の写し
売却先や、売却金が1億円以下であることを確認するために必要となります。
不動産を相続して確定申告が必要になるケースはそのほかにもあります。
こちらのコラムでも詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
不動産や土地相続で確定申告は必要?必要な場合の申告方法や注意点とは
空き家売却の税制優遇を受ける際の注意点
空き家の売却時に税制優遇を受けることができれば、譲渡所得税を大きく削減できる可能性があります。
ただし、適用を受けるための条件がたくさんあるので注意が必要です。
とくに以下の2点に気をつけてください。
耐震基準を満たしている物件か?
対象となる不動産の条件の1つである「1981年5月31日以前に建てられた建物」。
これは、旧耐震基準の時代の物件です。
この時期に建てられて、今まで1度も耐震リフォームなどを行っていない場合は、現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。
その場合は、建物を取り壊して更地として売却することで「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」を受けることができますよ。
空き家の解体費用も、譲渡費用に含めることができます。
相続から売却までの間に空き家を活用してはいけない
相続開始から売却までの間に、居住用・賃貸用・事業用としてしまっては、税制優遇を受けることはできません。
売却までの期間に人に貸したり、お店を開いたりするのはNG。
「空き家でカフェをやってみたけど、失敗したからやっぱり売りたい」という場合には、特例を受けられなくなります。
空き家の活用を考えるのも大切ですが、手放す際のことも考えたうえで判断しましょう。
建物を解体して土地として売却する場合も同じです。
空き家の売却では税制優遇の適用可能か確認を忘れずに!
使っていない空き家であっても、売却で利益が出れば譲渡所得税がかかります。
しかし、空き家の売却には税制優遇制度があり、一定の条件を満たすことで譲渡所得税を大幅に削減することができます。
税制優遇を受けるための条件をしっかり確認し、ぜひ損のない空き家売却を!
特別控除の適用を受けるために必要な添付書類を用意し、確定申告を忘れずに行いましょう。
相続開始から売却までの期間や、売却までの間に空き家を活用しないことなどに注意。
耐震基準を満たしていない物件の場合は、更地にして売却することで特例の対象とすることもできます。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」にぜひご相談ください。
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大田原店 滝田 絵里花
不動産の売却はどんなふうに進めたらいいのか、ご心配なことや不安なことがたくさんあるかと思います。安心いただけるように売却の方法や流れもわかりやすくご説明致します。