空き家を自分で管理する方法をご紹介!管理が難しい場合の対策も確認
こんにちは!栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
「所有する不動産が空き家になってしまった」
「管理はどうすればいいのだろうか」
実家の相続など急な空き家管理が必要になり、このような悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
最もコストがかからない方法は自分で管理を行うことですが、難しい場合は管理会社に依頼したり、売却や賃貸を検討する場合もあるでしょう。
そこで今回は、空き家を自分で管理する具体的な方法と、管理会社への依頼やサービス内容の紹介、売却のメリットをご紹介します。
管理できない空き家を所有するリスクや維持費もあわせて解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
空き家を自分で管理する方法をご紹介!
人が住んでいない家は、手入れせずに放置するとどんどん老朽化が進みます。
そのため、目安として1カ月に1回以上は、継続的な管理が必要です。
まずは自分で空き家を管理する場合の最初の準備や、管理作業の進め方をご紹介します。
空き家管理で最初に必要な準備
- 貴重品など大事なもの、荷物の運び出し
- 電気・ガス・水道などライフラインの閉栓を行う
- 郵便に関する処理(郵便受けを閉じる、郵便の転送手続きなど)を行う
- 湿気予防のために畳を上げておく
- 凍結防止のため、貯湯タンク式の給湯器の水を抜いておく
- 台風で飛ばされそうな配置物(鉢植えや屋上のアンテナなど)は撤去する
- ご近所への挨拶を済ませておく
このほか、防犯上侵入しやすい経路(窓など)には、ホームセンターなどで用意できる補助錠の設置もおすすめします。
また、空き家周辺に住む方への挨拶も重要です。
事前に「定期的に掃除や点検をしに来ます」と周囲に伝えておくことで「空き家から不審な音がする」といった不安を与えずに済みます。
事前準備として、基本の持ち物と服装も参考にご紹介します。
事前に用意したい持ち物
- スリッパ
- ビニール手袋や軍手
- ぞうきん、モップ、ウェットティッシュ(水道が停止している場合)
- バケツ
- ほうき、はたき、掃除機
- 掃除用洗剤
- ドライバーなどの工具
- ゴミ袋
- 懐中電灯(電気が停止している場合)
- 管理チェックシート
雨漏りやひび割れ、腐敗など気になる場所があるときは、後々の進行具合を比較できるようカメラを準備しておくと役立ちます。
上に挙げた持ち物のほかにも、電気が通っていない物件での作業は、季節によっては防寒・防暑対策グッズが必要です。
庭木を整える剪定(せんてい)バサミや脚立、草刈り用のカマなども用途に合わせて準備しておくと良いでしょう。
管理チェックシートで作業の抜けがないか確認するのもおすすめです。
修繕箇所や確認すべきポイントをメモしておけば、経過確認に役立ちます。
空き家の管理作業に適した服装
動きやすく、汚れても良い服装が適しています。
ハチなど害虫との遭遇や、夏の強い紫外線にさらされる場面も考えられるため、季節素材の長袖長ズボンがおすすめです。
前日に天気予報を確認し、雨天の場合は雨ガッパや長靴を用意しておくと安心でしょう。
空き家管理の作業の流れ
基本的な作業は、必要に応じて次のような手順で行います。
1.空き家周辺に異常がないかを確認
侵入者の痕跡や自然災害の影響を調べるために、周辺に変化はないか、施錠はされたままか確認を行います。
2.室内の換気や通水(水道が通っている場合)
タンスや戸棚、窓を開けて換気をすることで、空き家の老朽化原因である湿気を追い出し、カビの繁殖を防ぎます。
水道が通っている場合は1分ほど水を流す(通水)ことで、下水からの悪臭を防げます。
閉栓している場合は、排水溝に蓋をして対応します。
3.郵便受けのチェック
郵便受けを閉じていない場合は、チラシなどが溜まっていると空き家だとバレやすく、いたずらや放火の標的となりやすいので必ず回収しておきましょう。
4.敷地内の清掃、建物外部(外壁、軒裏、塀など)の確認
伸び放題の雑草や庭木の枝が塀を乗り越えて隣地に侵入すると、ご近所トラブルの元になりかねないため、管理が必要です。
敷地内のゴミ拾いや庭木の点検、壁や塀にひび割れがないか、軒裏が腐っていないかなどを確認しましょう。
5.水道メーターの確認
水道を閉じているのにメーター内部のパイロットが回っている場合は、水漏れの可能性があります。
閉栓していない場合でも、使用量が不自然に増えていないかチェックしましょう。
6.室内のチェックと清掃
室内のチェックでは、床や天井を見たり、壁に触ったりして雨漏りしていないかなどを確認します。
押し入れなどの建具も、動作に問題がないか点検しましょう。
窓や建具の開閉がしにくい場合は建物の傾きの恐れがあるため、早めの修繕が必要です。
7.戸締り
換気用に開けた窓を閉じるなど、戸締りを念入りに確認してから帰宅しましょう。
自分で対応が難しい場合の空き家の管理方法は?
空き家の所有者の中には「遠方に住むため、定期的な管理ができない」という方もいるでしょう。
自分で空き家の管理が難しい場合におすすめなのが、管理会社に「空き家管理サービス」を依頼する方法です。
空き家管理サービスとは、不動産の所有者に代わって1カ月に1度ほど空き家を訪れ、状態の確認や簡単な清掃など、物件の老朽化を防ぐ目的で巡回してくれるサービスです。
空き家管理サービスの内容
空き家管理サービスに含まれることが多いのは、次のような内容です。
- 敷地内の清掃(除草)など外部確認
- 清掃・換気など室内確認
- 通水・水漏れのチェック
- 郵便物の転送サービス
- 屋内外の巡回報告書
基本的には先にご紹介した自分で管理する方法と同じく、老朽化を防ぐために必要な確認を行ってくれます。
管理の知識を備えたプロの視点で細かくチェックしてもらえるため、異常があればすぐに報告が得られる利点があります。
空き家管理サービスにかかる料金
空き家管理サービスにかかる料金は、管理会社によってバラつきがありますが、1カ月あたり5,000円から10,000円程度が相場です。
先に挙げた主なサービス内容すべてを盛り込むか、敷地内の清掃のみなど一部のサービスに限定するかによって異なります。
管理できない空き家を所有するリスクは?維持費も確認!
管理できない空き家を「使わないから」と放置すると、次のようなリスクがあります。
- 不法侵入や犯罪発生のリスク
- 倒壊のリスク
- 固定資産税が高額になるリスク
- 維持費がかかるリスク
1つずつ確認していきましょう。
不法侵入や犯罪発生のリスク
手入れをしない空き家は老朽化が進み、「誰も住んでいない」と判断されて、不審者や不法侵入者が住み着く可能性や、粗大ごみなどの不法投棄、犯罪に使われる恐れがあります。
空き家が不法侵入された場合のトラブルについては、「空き家が不法侵入された場合のトラブルとは? 防ぐための対策も紹介」でも詳しくご紹介しています。
倒壊のリスク
空き家は湿気がこもりやすく、柱や基礎の老朽化が進むことで、地震などの自然災害で倒壊する危険性も。
人や物を傷つける事故に発展した場合は、所有者が損害賠償責任を負うことになります。
固定資産税が高額になるリスク
手入れされずボロボロになった空き家は、行政から「特定空き家」に指定される可能性があります。
特定空き家とは、放置してしまうと周囲の安全・防犯・環境・景観を損ない、悪影響を与える空き家です。
指定されると固定資産税の負担を軽減する「住宅用地の特例」が外され、固定資産税が高額になってしまう恐れがあります。
特定空き家については「特定空き家とは?指定されるケースや罰則をチェック!」も参考にしてみてくださいね。
維持費がかかるリスク
不動産は所有しているだけでも、次のような費用がかかります。
- 固定資産税、都市計画税
- 水道光熱費
- 火災保険・地震保険などの保険料
- 空き家管理サービス費用
- 修繕費用
土地の大きさや空き家の状態によって異なりますが、総額として年間数十万円の費用が掛かる場合もあります。
空き家にかかる維持費について、詳しくは「空き家の維持費を解説!管理費や税金など内訳や年間総額を知ろう」でもご紹介しています。
また、空き家を放置するリスクは、こちらのコラムで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね!
空き家放置はリスクがたくさん!活用方法やすぐできる解決方法をご紹介
空き家の管理が難しいなら売却する方法も!
空き家の管理が難しく、将来的に使用する予定がない場合は、売却もおすすめです。
更地にすることで買い手が付きやすくなる場合もあるので、シロアリ被害がひどい場合や、建材(梁など)の老朽化が進んだリフォーム不可能な建物は、不動産会社と相談しながら解体も検討しましょう。
解体費用については「実家の空き家の解体費用はどのくらいになる?抑えるコツや補助金も知ろう」で詳しくご紹介しています。
空き家を売却するメリットをチェック
空き家を売却した場合、次のようなメリットがあります。
- 管理の手間とコストがなくなる
- 譲渡所得の3,000万円特別控除が受けられる
空き家を売ることで、管理にかかる手間やコストだけでなく、将来的に放置になってしまうリスクも防げます。
また、相続日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、相続した空き家を一定の条件下で譲渡した場合、譲渡で得た金額(譲渡所得)から3,000万円を控除できます(適用期限は2023年12月31日まで)。
一定条件とは、相続した空き家を耐震リフォームする、または取り壊して更地にすることです。
詳細については、国土交通省のページをご確認ください。
空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)
売却のほかに管理を避ける方法としては、賃貸住宅にしたり、リフォームを行ってお店や事務所として貸し出したり、そもそもの相続を放棄したりする手段もあります。
空き家の相続放棄については「空き家を相続放棄した場合の注意点を解説!管理責任はどうなる?」もご覧ください。
空き家の老朽化を防ぐには定期的な管理が不可欠
人が住まない家は、湿気がこもり、老朽化がどんどん進んでしまいます。
空き家を定期的に点検して修繕の必要がないか確認したり、屋内外の清掃をしたりすることで、家の劣化を防ぐだけでなく、防犯面で不審者を遠ざける効果もあります。
自分で管理するのが難しい場合は、空き家管理サービスを依頼する方法も。
月額コストはかかりますが、手間を省くことができ、問題があれば報告してもらえます。
将来的に使う予定がないのであれば、売却も1つの手段です。
管理の手間を惜しみ、放置してしまうことは、防犯・景観・費用の面でもリスクが高いため、早めに処分を検討すべきでしょう。
空き家の処分についてお悩みの場合は、不動産会社に売却査定を利用するのもおすすめですよ。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください!
那須塩原店 土屋 清