シロアリ被害の家は売却できる?方法や注意点を解説
こんにちは。栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
売却を希望する物件にシロアリ被害がある場合、「売却は可能なのだろうか」と不安になる方は多いのではないでしょうか。
結論からいいますと、確かにシロアリ被害のある物件の売却は難しい側面がありますが、売却自体は可能です。
そこで今回は、シロアリ被害の家を売却する方法を、メリット・デメリットとともに解説していきます。
売却する際の注意点もあわせてご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。
シロアリ被害の家を売却するのは可能?
シロアリとは、住宅の基礎や柱などの部材(建材)を食い荒らし、建物の耐久性や耐震性に大きな被害をもたらす害虫です。
被害部分から水漏れして家の内部が腐る可能性があります。
さらに被害が進むと家が傾いたり、床が抜けたりといったリスクがあります。
居住物件として備えるべき品質・性能を欠いているため、雨漏りや地盤沈下などと同様に、物件にある欠陥や不具合「瑕疵(かし)」とみなされます。
冒頭でお伝えしたとおり、シロアリ被害があっても売却自体は可能です。
しかし、「被害があっても大丈夫。購入したい」と希望する買い手よりも、購入を避ける人のほうが多い傾向にあるため、被害のない物件に比べて、売却は難しいといえます。
売却を成功させるためには、買い手のシロアリ被害への不安をなるべく軽減できるよう対策したり、被害リスクを踏まえても購入メリットを感じられるよう売り方を工夫したりする必要があります。
次のブロックで、具体的な方法をご説明しますね。
シロアリ被害の家を売却する方法
先にお伝えしたように、シロアリ被害のあるままでは、売却期間が長引いたり、売れ残ったりする可能性が高く、売却は難しいでしょう。
なんらかの対策を講じてから売り出すことが大切です。
具体的には次の方法が挙げられます。
- シロアリを駆除してから売却する
- シロアリ被害の修繕をしてから売却する
- 更地にしてから売却する
- 「古家付き土地」として売却する
- 不動産会社に直接売却する(不動産買取)
それぞれ解説していきましょう。
方法①シロアリを駆除してから売却する
シロアリ被害が浅く、侵入を早めに発見できた場合であれば、シロアリ被害の履歴があっても、すでに「駆除済み」の物件として、買い手の不安を和らげることができるでしょう。
売り出しまでに時間がかからないというメリットの一方、売却後に被害への補修などをめぐり、トラブル発生のリスクがある点は知っておいてくださいね。
殺虫剤を使って自ら処理することも可能ですが、巣が特定できない場合も。
専門の駆除業者に依頼したほうが、シロアリを逃がさず、的確に駆除できます。
駆除費用の相場は、1坪あたり最低5,000円ほどです。
どんな薬剤を用いるかや、家の広さ、業者によってもサービス内容・料金が違ってくるため、複数社に見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
方法②シロアリ被害の修繕をしてから売却する
駆除のみの方法よりも、修繕をしてから売り出せば、買い手に「被害部分を改善した」と提示できるので、購入してもらいやすくなるメリットがあります。
売却後のトラブルも、「現在できる修繕は完了しているので、売却後の対応は免責してほしい」と契約時に交渉しやすくなるでしょう。
デメリットとしては、修繕の時間や費用がかかることです。
家の傾きや大部分の部材の取り替えなど、工事が大掛かりになると高額な費用がかかる場合が多く、売却しても赤字になってしまうケースも。
駆除業者と同様に、複数社に見積もりを依頼し、費用対効果を比較してから依頼しましょう。
なお、業者発行の領収書などを確定申告時に添付すれば、シロアリ駆除や修繕にかかった費用は、「雑損控除※」として差し引けます。
※参照:国税庁「シロアリの駆除費用」
方法③更地にしてから売却する
シロアリ被害が深刻で、家の傾き、床が腐っているなど居住に問題があったり、修繕費が高くついたりする場合は、建物を解体し、更地にしてから売却する方法もあります。
シロアリ被害は建物に発生するため、解体してしまえば売却後のトラブルを回避できますし、土地のみで売り出せば、新築希望者にも買い手の幅が広がります。
ただし、解体工事に費用がかかりますし、解体後売れないまま1月1日を過ぎてしまうと、「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」が適用されず、支払うべき税額が最大6倍になる可能性があることにご留意ください。
解体費用の目安や、固定資産税が高くなることについては、下記のコラムで詳しく解説しています。
実家の空き家の解体費用はどのくらいになる?抑えるコツや補助金も知ろう
空き家は解体して売却するべき?メリットデメリットや費用目安を解説
方法④「古家付き土地」として売却する
修繕や解体に手間をかけたくない場合は、建物に価値を付けず、土地のおまけとして売る「古家付き土地」という売り方も選択肢の一つです。
売り出しまで時間がかからず、建物を安く手に入れたい買い手に需要が広がるメリットがあります。
デメリットとしては、売却後にトラブルに見舞われたり、解体費用分の減額交渉をされたりする可能性があることを知っておきましょう。
方法⑤不動産会社に直接売却する(不動産買取)
「なるべく早く売却したい」という方は、不動産会社に直接売却する「不動産買取」という方法を検討してみましょう。
仲介時よりも買取価格は下がる傾向にあるものの、買取後に不動産会社がリフォームなどを行なって再販するので、修繕や解体の負担がかからず、早期売却しやすいメリットがあります。
シロアリ被害があっても、状態によってはスムーズに買取してくれる業者もありますので、査定の段階で相談してみることをおすすめします。
シロアリ被害にあった家を売却する際の注意点・ポイント
シロアリ被害にあった家を売却する際の注意点として、買い主に被害の事実を隠さず、詳しく状況を伝えることが重要です。
具体的には、次のような物件状況を「物件状況等報告書」に記し、詳細を告知します。
- シロアリ被害の履歴の有無
- シロアリの駆除の有無と実施時期
- 被害箇所の修理の有無と実施時期
- 現在のシロアリ被害の状況
売り主には、売却した物件の状況が契約内容に適合しない場合、「契約不適合責任」を果たす義務があるからです。
事実を隠し、契約後に事実を知った買い主に「シロアリ被害のことを知っていたら買わなかった」などと主張されて、代金の減額請求や契約解除、損害賠償を求められる恐れがあります。
詳しくは「不動産売却は告知義務がある!告知が必要な瑕疵や売却時の注意点も」で解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
売却後責任追及をされるリスクを減らすには、きちんと事実を告知した上で、売買契約にプラスし、「免責特約」を交わしておくのがポイントです。
免責特約とは、「シロアリ被害の事実を知った上で買うのだから、被害に関わる保証は免除する」というような、売買後の責任を問わない取り決めです。
なお、不動産会社への告知時期については、査定の段階で済ませておくのがおすすめです。
早めに情報共有することで、物件の状況に合った売却方法を提案してもらいやすくなるでしょう。
シロアリ被害のある家の売却は対処をしてから売り出そう
シロアリは建物の耐久性・耐震性に大きな被害をもたらす害虫です。
シロアリ被害のある家は瑕疵物件とみなされ、被害のない物件よりも買い手が付きにくく、売却は難しい傾向があります。
事実を隠したまま売却すると「契約不適合責任」を問われる恐れがあるため、売却を成功させるには、被害の状況に応じた対策を行うことが重要です。
シロアリの駆除や被害の修繕をしてから売れば、買い手の安心感につながりますし、更地にすれば売却後のトラブルを回避できるでしょう。
修繕や解体の手間を省くなら「古家付き土地」としての売却や、不動産会社に直接売る「不動産買取」という方法もあります。
物件の状態によって適する方法が異なるため、不動産会社と相談し、慎重にご検討くださいね。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。
那須塩原店 土屋 清