不動産売却のコツ

シニア向け分譲マンションは売れない?理由や対策を紹介

こんにちは。栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。

 

「シニア向け分譲マンションは売却できるのだろうか?」

「購入を考えているけれど、将来的に売れないのは困るな…」

「賃貸にするしかないのかな…」

こんな不安をお持ちではありませんか?

 

実は、シニア向け分譲マンションは「絶対に売れない」というわけではありませんが、通常のマンションと比べると売れにくい側面もあります。

 

今回は、シニア向け分譲マンションが通常のマンションと比べて売れないのはなぜか、売れにくい理由について詳しく解説していきます。

売れない場合の対策もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

車いすのある部屋

 

 

シニア向け分譲マンションとは?

シニア向け分譲マンションがなぜ売れないか、その理由をお伝えする前に、まずはその特徴について確認しておきましょう。

 

シニア向け分譲マンションとは、自立して生活を送ることができる高齢者を入居対象としているマンションです。

購入時には年齢制限があり、多くの物件で「40〜60歳以上から」といった条件が設けられています。

 

なお、一般的な分譲マンションと同様に所有権があるため、資産として売却や相続が可能です。

 

シニア向け分譲マンションの主な特徴として、以下のようなポイントが挙げられます。

  • 高齢者にも暮らしやすいバリアフリー設計:手すりの設置、段差の解消、広めの廊下幅、緊急通報装置の完備など、設計に工夫がある
  • 24時間の見守りサービス:スタッフが常駐し、緊急時の迅速な対応、日常生活の困りごとを相談できる安心感がある
  • サポート力の高いフロントサービス:宅配物の受け取り代行、各種手続きのサポートなど生活支援が受けられる
  • 生活を便利・快適にする共用施設の充実:レストラン、大浴場、カラオケルームなど生活をより楽しく、便利にする施設や入居者同士の交流スペースがある

 

市場のシニア向け分譲マンションすべてが、一律のサービスを提供しているわけではなく、物件によって違いはあります。

 

しかしながら、基本的には上記のような設備やサービスにより、高齢者が安心して快適に暮らせる住環境が整えられているといえるでしょう。

 

 

シニア向け分譲マンションが売れない理由

シニア向け分譲マンションが一般の分譲マンションと比べて売れにくい理由には、主に以下のような要因があります。

 

理由1|シニア向け分譲マンションの中古市場が確立していない

1つ目の理由には、シニア向け分譲マンションは、通常のマンションと比べると、中古市場が発展途上であることが挙げられます。

 

不動産データを扱う株式会社東京カンテイの調査によると、2022年6月末時点でのシニア向け分譲マンションの物件数は、全国で98物件・14,947戸(2023年までに竣工予定の物件を含む)となっており、供給が増えているものの物件数は限られているといえるでしょう。

 

この状況から、以下のような市場の未成熟さが指摘されています。

  • 市場での取引実績が少なく、適切な価格設定が難しい
  • 仲介できる不動産業者が限られている
  • 中古物件の流通市場が未成熟である
  • 物件価値の評価基準が確立されていない
  • 新築物件との競合により、中古物件の需要が限定的である

 

さらに、下記のように潜在的な購入者の幅も狭いことも、理由の一つといえるでしょう。

  • 年齢制限により若い世代が購入できない
  • 投資目的の購入者が除外される
  • 高額な購入費用により、購入者層が富裕層に限定されやすい
  • 二世帯住宅としての活用が難しい
  • 相続後の活用方法が制限される

 

理由2|ランニングコストの高さで購入者がより限定的になりやすい

2つ目の理由は、通常のマンションに比べて、購入者が限定的になりやすいことが挙げられます。

 

シニア向け分譲マンションでは、充実したサービスを提供するため、以下のような費用が必要となり、ランニングコストの負担が増えやすいからです。

 

【基本的な費用】

  • 管理費
  • 修繕積立費
  • 固定資産税
  • 都市計画税

 

【サービス関連の費用】

  • 24時間スタッフ常駐費用
  • 見守りサービス料
  • 共用施設の維持管理費
  • 設備の保守点検費用
  • レストランなどの運営費用

 

シニア向け分譲マンションでは、サービスを手厚くする分、人件費がかかります。

施設の充実性を保つには、維持管理費、設備の定期更新・修繕にかかる費用、運営費用がかさみやすいともいえます。

 

これらの費用は一般の分譲マンションと比べて大幅に高額になることが多いです。

上記のようなランニングコストの高さは、購入を検討する方にとって深刻な懸念材料となります。

 

特にシニア層の購入者にとっては、次のような経済的な不安要素も多いことも要因といえるでしょう。

  • 定年退職による収入の減少
  • 年金生活への移行
  • 介護・医療費の増加の可能性
  • 老後の予期せぬ出費への不安

収入が減少する老後に高額な固定費負担を避けたいと考える人は多いため、通常のマンションよりも買い手が付きづらいのです。

 

 

シニア向け分譲マンションが売れないときの対策

対策

シニア向け分譲マンションの売却には独自の難しさがありますが、以下のような対策を講じることで、売却の可能性を高めることができます。

 

対策1|市場価値を見極めた価格設定を行う

シニア向け分譲マンションの売却対策としては、市場価値に合った適正な価格で売り出すことが重要です。

 

適正な売却価格を設定するには、専門的な市場分析が不可欠です。

 

また、一般の分譲マンションとは異なる付加価値(施設の充実度やサポート体制など)があるため、特徴をしっかりと把握し、価値を正しく測れる不動産会社の選定が売却成功の重要なカギとなります。

 

シニア向け分譲マンションの取引実績が豊富な不動産会社であれば、同種の物件の売却実績や取引価格の推移を詳しく把握しており、適切な価格設定につながるでしょう。

 

対策2|強みを活かした訴求戦略を行う

シニア向け分譲マンションの強みをアピールできる販売活動を行うことも大切です。

 

例えば、24時間管理体制による安心感や、充実した共用施設の利用価値などは、高齢者の住まい選びにおいて重要なポイントです。

 

これらの特徴を、次のような具体的な数値やデータ、実際の利用状況などとともに示すと、購入検討者の理解を深め、購入意欲アップにつながりやすいでしょう。

  • バリアフリー設備の具体的な仕様
  • 共用施設の利用状況と活用事例
  • 周辺の医療・介護施設との連携状況

 

また、写真や図面を見せるなど、購入検討者にわかりやすく伝えることで、物件の価値をより明確に示すことができます。

 

対策3|購入時から「将来の売却を見据えた物件」を選んでおく

将来の売却を見据えて、これからシニア向け分譲マンションを購入される場合は、なるべく資産価値の維持されやすい物件を選ぶことが重要です。

 

物件の資産価値は立地条件によって大きく左右されるため、以下のような「人気の条件」を重視して選定することをおすすめします。

  • 交通の便が良く、急行などが停車する駅が最寄り駅の近くである
  • 大型商業施設や医療機関が近接している
  • 生活利便施設が充実している

 

購入時点から売却を意識した物件選びを行うことで、将来の売却がスムーズになる可能性が高まるでしょう。

マンション売却時の基本的な概要は、「マンション売却の流れを解説!注意点や売却にかかる費用も」で詳しくお伝えしていますので、ぜひあわせて参考にしてください。

 

 

シニア向け分譲マンションは売れない理由を踏まえて対策を

シニア向け分譲マンションの売却には、一般の分譲マンションとは異なる難しさがあります。

 

中古市場が未成熟であることや、高額なランニングコストが障壁となり、買い手がつきにくい状況が存在するからです。

 

しかし、実績のある不動産会社に相談しながら適切な価格設定と効果的な訴求を行うことで、売却の可能性を高めることができるでしょう。

 

大切なのは、物件の価値を正しく見極め、物件の長所をアピールできる市場動向を踏まえた戦略的な売却活動を行うことです。

 

また、これからシニア向け分譲マンションを購入される場合には、将来の売却時になるべく資産価値が維持しやすい条件を備えた物件を選ぶことをおすすめいたします。

 

栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。

 

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