近隣・隣人トラブルのある家の売却方法は?解決策や告知義務も解説
こんにちは!栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の星です。
自宅を売却する理由のうち、意外と多いのが近隣・隣人トラブル。
「隣の家から夜中に大音量で音楽が聞こえてくる!」
「何もしていないのに、顔を合わせると理不尽な暴言を言われる…」
このようなことが起きると、一戸建てやマンションなど隣家や周囲との距離が近い場合は特に、新天地へと引っ越したくなるかもしれません。
ご近所トラブルのある家をそのまま売却しても良いのか、解決してから売るべきなのかも悩みますよね。
そこで今回は、近隣・隣人トラブルのある不動産を売却する方法、売る際のポイントや注意点を解説。
よくある近隣・隣人トラブルとその解決策や、家を売却する流れもあわせてご紹介します。
近隣・隣人トラブルのある家を売却する方法は?告知義務もある?
近隣・隣人トラブルがある家を売却する方法として、まず押さえておきたいポイントは「売却前にできるだけ問題を解決すること」です。
矛盾しているように聞こえますが、住み続けることを前提にした場合と「解決しなければ売って引っ越そう」と考えられる売主の立場では、取れる手段も変わってきます。
いざ解決に動いてみると意外とスムーズに進み、売却しなくて済むかもしれません。
トラブル未解決で売却する場合のリスク
近隣・隣人トラブルがある物件を、不動産売買では「環境的瑕疵(欠点)のある物件」と呼びます。
どのようなトラブルが該当するか明確な定義はなく「ケースによって」当てはまるため、環境的瑕疵に関わる訴訟事例は少なくありません。
トラブルの内容と買主がどれだけ許容できるかによって異なるものの、瑕疵のない物件よりも売却価格が値下がりする覚悟は必要です。
減額を避けたい場合は、トラブルを気にしない買主を探すことになりますが、売却活動の長期化が予想されます。
近隣・隣人トラブルによる売却の注意点
近隣・隣人トラブルが原因で売却する場合は、依頼する不動産会社に対し「周囲にバレないようにしたい」と伝えることが大切です。
家の売却時に不動産会社に買主を探してもらう「不動産仲介」を依頼すると、担当者は販売活動を開始します。
不動産ポータルサイトに家を掲載したり、購入希望者に物件を案内(内覧)したり、自由に家を見られるオープンハウス催したりと人目に触れる機会はさまざま。
ご近所トラブルは繊細な問題なので、万が一にも悪化しないよう慎重な販売活動がおすすめです。
人目を避けたいという点では、不動産仲介ではなく直接不動産会社に買い取ってもらう「不動産買取」も良いでしょう。
売却価格は市場価格の7〜8割程度となってしまうデメリットはあるものの、すぐに住み替えたい場合は特に向いています。
近隣・隣人トラブルがあることを告知せず売却はNG
家やマンションなど不動産を売る場合、売主は買主に対して瑕疵(欠点)を伝えなければならないという「告知義務」があります。
雨漏りや設備不良、シロアリなど物理的な欠陥、自殺・他殺など物件での出来事も含め、買主が購入を避けたいと考える事実を「重要事項」と言い、売買契約の締結前には必ずその説明義務を負います。
近隣・隣人トラブルには明確な定義がないものの、買主に「それなら買わないでおこう…」と感じさせる欠点にはなり得ます。
契約時に告知がなかった重要事項については、売主の責任である「契約不適合責任(瑕疵担保責任)」により、損害賠償請求される可能性も。
リスク回避のためにも、少しでも気になることがあればすべて伝えておくことをおすすめします。
よくある近隣・隣人トラブルと解決策もご紹介!
よくある近隣・隣人トラブルは、主に次の4つがあります。
- 境界トラブル
- 騒音トラブル
- ゴミトラブル
- 隣人によるトラブル
ひとつずつ解説します。
境界トラブル
よくある近隣・隣人トラブルの1つに境界(隣地との境目)トラブルがありますが、原因は「境界の曖昧さ」であることが多いです。
そのため、売却前に確定(測量)することで解決できる可能性も。
隣の庭の枝が越境(侵入)して困っているなど実際のトラブルに発展していなくても、境界が確定しているかどうか、早めに確認することをおすすめします。
戸建てや土地を売却する際、売主には「どこからどこまでが所有する土地か」買主に境界を示す必要があるためです。
お隣の土地との境界を土地家屋調査士に依頼して確定させておきましょう。
境界未確定で起こるトラブルや、確定方法はこちらのコラムで説明しています。
境界トラブルで境界未確定の場合の売却方法は?多い事例や解決策も紹介
騒音トラブル
騒音トラブルは、周囲と自宅の距離が近い場合に起こりやすい問題です。
とりわけマンションは上下左右が他の部屋に囲まれており、階上の足音が響いたり、ペットの鳴き声や大音量の音楽が気になったりと、日常生活に大きく影響します。
直接伝えに行くと場合によっては逆恨みや嫌がらせに発展するリスクもあるので、第三者に間に入ってもらう解決方法がおすすめです。
マンションを管理委託している不動産会社や管理組合に、騒音の内容・発生の時間帯など詳細を伝えて相談し、ボイスレコーダーを活用して証拠を取っておけばより良いでしょう。
ゴミトラブル
ゴミを分別しない、ゴミ出しの時間が違うなど、ルールを守らない近隣住民や近所のゴミ屋敷などゴミに関するトラブルです。
ゴミ出しに関するルールについては、マンションの管理規約や自治体のゴミステーションの決まりに従って注意をし、改善してもらうのが有用な方法です。
マンションであれば管理人の方に、戸建ての場合はゴミ収集の管轄は自治体が基本ですので、市区町村の役所に問い合わせるなど第三者に解決を求めると良いでしょう。
ゴミ屋敷については現状取り締まれる法律がなく、自治体の権限で撤去できませんが、周囲に悪影響を与える空き家ならば「空家等対策特別措置法」という法律が適用できる可能性も。
放置できない状態と判断できれば、自治体が空き家の所有者に対して行政指導を行えます。
隣人によるトラブル
「理由もなく口汚い言葉で罵ってくる」「夜中に用もなくインターホンを鳴らす」「理不尽な内容のクレームをつけてくる」など、隣人の言動・行為により起こるトラブルも多くあります。
近隣・隣人トラブルの中でも、とくに解決しづらい問題と言えます。
このようなケースは当事者で解決しようとはせず、まずは警察に相談すべきでしょう。
嫌がらせの内容によっては刑事事件に発展する場合もあるため、他のトラブルも同様ですが、身の危険を感じる場合は警察に通報するのもひとつの手です。
近隣・隣人トラブルのある家を売却する流れや不動産会社を選ぶコツ
近隣・隣人トラブルのある家の売却について、取り立てて一般的な流れと異なる点はありません。
不動産の売却方法は大きく「仲介」と「買取」に分けられます。
買取は不動産会社が物件を直接買い取り、仲介よりも売却までの工程が少ないため、今回は不動産仲介での流れをご紹介します。
不動産仲介は、基本的に次のような流れで進みます。
- 不動産会社へ売却相談、査定依頼をする
- 媒介契約(売主と不動産会社の仲介契約)を結ぶ
- 購入希望者を探す販売活動を行う
- 買主と不動産売買契約を結ぶ
- 物件の引き渡し、決済を行う
媒介契約など不動産仲介の仕組みはこちらのコラムで詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
不動産仲介とはどんな仕組み?流れや仲介手数料の目安などを解説!
近隣・隣人トラブルに強い不動産会社を選ぶコツ
ご近所トラブルの買主への告知は、売主が直接行うのではなく、不動産会社が間に入って行うことが一般的です。
トラブルの事実をどこまで伝えるか、内容をどのように伝えるかは担当者次第。
不動産会社を探すには一括査定サイトを利用しても良いですし、直接出向いても良いですが、「こんなトラブルがあるのですがどのように売却すれば良いか」と複数の会社に相談してみましょう。
販売活動に気を遣ってくれるか、買主に上手く説明できそうかといった対応を比較し、トラブルに対して適切な判断ができる1社を選定してください。
地域に精通していて経験豊富な会社であれば、さらに理想的ですね。
近隣・隣人トラブルはなるべく解決して売却を
ご近所トラブルのある家を売る場合、基本的にまず行いたいのは「できるだけ問題を解決すること」。
とりわけ境界トラブルは、曖昧な境界を確定するだけで解決に向かう可能性が高く、境界確定しないと原則売却できないため、早めに対策しましょう。
トラブル未解決で売る場合は売買価格が下がるなどのデメリットがありますが、売主には買主へ告知義務があるため、トラブルを黙っておくことはNGです。
騒音、ゴミ、隣人トラブルなど様々ありますが、基本的には第三者に解決をゆだねるのが良いでしょう。
トラブルがある場合も基本的な売却の流れは通常と変わりませんが、不動産会社を選ぶ際は、トラブルに対して適切な対応ができる会社を選ぶことが大切です。
不動産の売却について不安を感じる場合は、地域に精通しているお近くの不動産会社が解消してくれるかもしれません。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談くださいね。
大田原店 滝田 絵里花
不動産の売却はどんなふうに進めたらいいのか、ご心配なことや不安なことがたくさんあるかと思います。安心いただけるように売却の方法や流れもわかりやすくご説明致します。