違法建築物件でも売却できる!売却方法や注意点を解説
こんにちは。栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
家の売却を検討中の方には「違法建築って今一つなんだかよくわからない」「違法建築物件だと売れないの?」と、疑問に思っている人もいらっしゃるかもしれませんね。
違法建築物件とは、現在施行されている法律などに違反している建物を指します。
結論からいえば、違法建築物件でも売却自体は可能です。
今回は、違法建築について、売却方法や注意点を解説します。
そもそも違法建築とは何か、調べる方法もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
違法建築とは
違法建築とは、現在施行されている法律や条例など、国や自治体の決まりに違反している建築物です。
建築基準法をはじめ、建築物には守るべきルールがあります。
違反の種類はいくつかありますが、基準をオーバーしたり、許可されていない建築素材を使ったりと、新築や増改築時に現行法から外れていると、違法建築と呼ばれます。
ちなみに、法改正によって外れてしまったケースでは、違法建築ではなく「既存不適格」となります。
増改築時には現行法に合わせる必要がありますが、そのままの状態で居住しても問題ありません。
違法建築が生まれる背景
「なぜ違法建築があるのか」、主な背景として次の2つが挙げられます。
- 「法律に適しているかどうか」の確認や検査を受けていなかった
- 建築当初は合法だったが、増改築して違法となった
建物を建てる際は、その建物設計が合法かどうか「建築確認」がされます。
その後建築が済めば、確認済みの設計書どおりに建てられているか、「完了検査」が行われる仕組みです。
現在では確認・検査するのが通常ですが、以前は完了検査が今ほど徹底されていませんでした。
また、増改築しても、増築面積は床面積の合計が10平方メートル以内※なら確認申請が要らないため、気付かないうちに違法建築になっていたというパターンもあります。
※防火地域および準防火地域以外の区域の場合
違法建築か調べる方法
相続した家など、違法建築か気になる場合は、まず「確認済証」や「検査済証」があるか確認しましょう。
確認済証は建築確認時に、検査済証は完了検査にて問題がなければ発行される証明書です。
これらの書類があれば、まず新築当初は合法と見なして問題ありません。
新築後に増改築した場合は、増築時に改めて証明書を受け取り、増築部分を登記していれば大丈夫です。
証明書類がないときは、不動産会社や建築士に調べてもらうことをおすすめします。
違法建築かどうかにプラスして、違法だった場合の対応策もアドバイスしてもらえるでしょう。
違法建築物件でも売却は可能
冒頭でお伝えしたとおり、違法建築物件でも売却自体は可能です。
主な売却方法には、次の2つがあります。
- 建物がある状態で売却する
- 更地にして売却する
それぞれ解説していきます。
①建物がある状態で売却する
1つ目は、建物がある状態のまま売却する方法です。
しかし、実際は違法でも良いから購入したいと思う人は稀でしょう。
買い主側のデメリットとして、購入時に住宅ローンの融資が受けられないことが多いため、違法建築のまま売り出しても、買い手が付きにくいと予想されます。
そのため基本的には、まず法律に適合させてから売却するのがベストです。
例えば、建築基準法では、敷地に対する建物の広さの割合「建ぺい率」や延べ床面積の割合「容積率」のほか、高さも建築する場所によってきちんと決められています。
増改築をして面積が基準を超えてしまったのなら、オーバーした部分を取り壊す、といった改善が必要です。
建物付き土地として売る方法もある
建物は現状のまま、「建物付き土地」として売る方法もあります。
建物を土地のおまけとして、価格を付けずに売る方法ですので、売却価格は下がりますが、現行法に適合させる手間がかからないメリットがあります。
不動産会社に直接売却する「買取」の検討がおすすめ
基本的には、違法建築のままだと一般の買い手は付きにくいため、手早く売却を進めたいなら、不動産会社に直接売る「買取」といった方法も検討してみましょう。
違法建築以外にも、相続した家や久しく空き家になっている物件などは、一般的に買い手が付きにくい傾向があります。
その点買取は、不動産会社が買取後に再販するのが通常ですので、一般とは違った観点で物件を査定し、買取してくれる可能性が期待できます。
買取価格は市場価格よりも下がりますが、仲介で一般の買い手を探すよりも早期売却につながりやすいでしょう。
相続した空き家の対処法などについては、「売れない空き家の理由とは?対処法や活用法、相続前の確認点も」で解説しています。
ぜひ、こちらもあわせてご覧ください。
②更地にして売却する
2つ目の方法は、建物を解体し、更地にして売却する方法です。
違法建築の問題は建物部分にありますので、取り壊してしまえば、立地次第では高く売れる期待が持てます。
ただし、少なくない解体費用がかかりますし、建物を取り壊すと固定資産税として支払う金額が増えます。
解体は最終手段として、建物の需要はないか慎重に検討してから行なってください。
また、のちほど説明しますが、敷地が「再建築不可物件」だと解体後に建築できませんので、必ず確認しておきましょう。
違法建築物件を売却する際の注意点
違法建築物件を売却する際は、次の点にご注意ください。
- 違法建築物件だと買い主に説明する
- 「再建築不可物件」でないか確認する
まず重要なのが、売買契約を結ぶ前に、きちんと買い主に違法建築である旨を告知することです。
事実を隠したまま売却した場合、「知っていたら契約しなかった」として、契約不適合責任を問われるリスクがあります。
売り主の責任として、契約解除や損害賠償などを求められるかもしれません。
そして、売却時に建物を解体する場合は、「再建築不可物件」に該当しないか確認しましょう。
再建築不可物件とは名前のとおり、解体後に再び建築ができない土地のことです。
建築基準法上の「道路(幅員4メートル以上)」に敷地が2メートル以上接していない「接道義務」を満たしていない物件で、新築・増改築・建て替えができません。
リフォームはできますが、土地として売るなら新築できないと買い手の需要が期待できないため、不動産会社と相談し、接道義務を満たしてから売却を進めましょう。
違法建築の売却方法は現状をよく確認して慎重に検討を
違法建築とは、現行法に適していない建物を指します。
違反部分を修正してから売却するのがベストですが、現状のまま売るなら、建物付きで売る方法と更地にして売る方法があります。
建物付きで売るなら、違法建築である旨をきちんと買い主に伝えなければいけません。
更地にするなら、「再建築不可物件」でないかよく確認しましょう。
接道義務を満たしていないと、更地にしたところで新たに建築ができないからです。
解体する前に、よく現状を調査して慎重に進めてください。
違法建築は一般の買い手には売れにくい物件ですので、早期売却を目指すなら、不動産会社に直接売却する「買取」の検討をおすすめします。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。
那須塩原店 土屋 清