ひび割れのある家を売却する方法は?売却価格への影響も確認!
こんにちは!栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
家やマンションの外壁をふと見たときに、ひび割れを発見…。
「売る予定の不動産だけど、放置しておいて大丈夫?」と気になっている方もいるかもしれません。
ひび割れがある家でも売却自体は可能ですが、工夫をせずに売り出すと安くなってしまう可能性も。
そこで今回は、ひび割れのある家を売却する方法をご紹介!
ひび割れが売却価格にどう影響するか、ひび割れが起こる原因、放置した場合のリスクについてもあわせてお話しします。
家のひび割れは売却価格にどう影響する?
家のひび割れは売却価格に影響する場合が多く、一般の相場価格より約2〜3割安くなる可能性があります。
価格への影響は、基礎や外壁、内壁といったひび割れの起こっている場所や、ひびの深さ・範囲によって変わってきます。
国土交通省は「既存住宅状況調査方法基準の解説」にて住宅調査におけるチェック事項を定めており、ひび割れの状態が当てはまる場合には、家の強度に何らかの問題がある可能性があります。
引き渡しの前になって「ひび割れがある!構造上問題あるのでは?」と指摘を受けると、契約時と現況に違いがあるとみなされ、契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)で契約解除などを求められる可能性も。
あらかじめ住宅の現状を調査しておき、売買契約時に買主にきちんと説明できるようにしておきましょう。
続いて、売却に影響するひび割れとはどのようなものか解説していきます。
基礎部分に幅0.5mm以上のひび割れがある場合
家の土台部分である基礎に幅0.5mm以上のひび割れがあると、既存住宅状況調査の指摘事項になり、売却価格に影響します。
また、ひび割れの深さが20mm以上あったり、さび汁(コンクリート中の鋼材が腐食して茶色・褐色ににじみ出たもの)が発生していたりといった場合も影響します。
上記の範囲外でごく小さなひび割れであれば価格の影響はありませんが、上記のひび割れがあると、売却相場の約7〜8割に下がる可能性があります。
不同沈下による内壁のひび割れの場合
不同沈下とは、地盤のゆがみによって建物が傾く(地中に沈む)こと。
住宅の地下にある土塊や有機物の腐食が原因で空洞ができたり、基礎部分の地盤固めが不均一になっていたり、地盤がもともと柔らかく何らかの要因で斜めになったりすることが原因になります。
新築で家を建てる場合は通常地盤調査を行いますが、調査ミスで将来的な地盤の変化を見過ごし、不同沈下が起こることもあります。
通常、内壁によく使われる石膏ボード(プラスターボード)は衝撃に弱いため、ズレによる壁紙のひび割れは珍しくないため、売却価格にさほど影響はありません。
しかし、不同沈下で内壁がねじれて発生したひび割れは、内壁だけでなく家全体の問題です。
内壁のひび割れとともに「ドアや窓が開きにくくなっている」「床が傾いている」「玄関ポーチと基礎の間に隙間がある」「ドアの建付が悪い」などの不具合が生じたら、不同沈下を疑ってみてください。
不同沈下の可能性がある場合は売却価格に大きく響き、売却相場よりも500万円近く下がるケースもあります。
下地材に達した外壁のひび割れの場合
外壁材を取り付けるための下地材(合板・ラス金網・防水紙など)までひび割れが達していると、雨水が柱など家を支える部材まで浸透し、劣化が進む恐れがあります。
塗装の表面だけという軽いものではなく、深いひび割れになると売却相場の約8〜9割に価格が下がる場合が多いです。
ひび割れのある家を高く早く売却する方法をご紹介
ひび割れがある家を高く、そしてできるだけ早く売るためにはコツがあります。
具体的な方法は次の5つです。
ひび割れを補修して「履歴」を見せる
売却価格を一般の相場価格に近付ける最も良い方法は、ひび割れを補修すること。
修繕した履歴を残しておけば、どこをどのように直したか購入希望者に提示して信頼を得やすくなり、高値での売却につながります。
ただし、ひび割れの箇所や深さなどから必要とされる工事も異なるため、修繕にかかる費用によっては売却価格が高くてもマイナスを生む可能性も。
不同沈下などで基礎部分の改修が必要な場合は特に、高額な修繕費用を要します。
「現状のまま売った場合」と「修繕して売った場合」を考え、売却価格にそれほど差がない場合は、修繕の必要はないでしょう。
売却前に既存住宅売買瑕疵保険に加入する
既存住宅売買瑕疵(かし)保険とは、売却した中古物件に瑕疵(欠陥)が見つかった場合でも、補修費用などの保険金が事業者に支払われる、検査と保証がセットになった保険制度です。
専門の建築士による検査に合格すると加入できる仕組みなので、購入希望者の信頼も得やすいでしょう。
ただし、売主が加入者になるのではなく、仲介を担当する不動産会社や、売主が選んだ登録検査事業者に加入を依頼する点は覚えておきましょう。
既存住宅状況調査(インスペクション)を受ける
既存住宅状況調査(インスペクション)とは、国土交通省の定める講習を修了した有資格者が行う、住宅に対する調査です。
構造耐力上主要な部分(基礎・壁・柱など)にあるひび割れや、屋根・外壁などの雨漏りといった劣化・不具合状況を把握できます。
ひび割れの補修後に実施しておくことで、現在はひび割れがないことを証明でき、購入希望者の安心材料となるでしょう。
不動産会社に買取依頼をする
ひび割れがある物件は、なかなか買い手がつかないことも。
なるべく早く売りたい場合は、仲介ではなく、不動産会社に買取してもらうという方法もあります。
売却価格が相場の7~8割になってしまうというデメリットがあるものの、いつ現れるか分からない購入者を待つ必要がなく、スピーディーな売却が叶います。
また、重大な瑕疵(問題)を隠していた場合を除き、契約後に補償を請求されることはありません。
買取のメリット・デメリットなど、詳しくはこちらのコラムでも解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
不動産売却の仲介と買取の違いを解説!メリット・デメリットもご紹介
家のひび割れはどうして起こる?原因を確認!
内壁のひび割れ原因のひとつとして「不同沈下」を解説しましたが、他にも家のひび割れが起こる原因があります。
ひび割れの主な発生理由は次の2つです。
- 地震などの揺れ
- 基礎工事による施工不良
1つずつ確認していきましょう。
地震などの揺れ
家は時間の経過とともに劣化していくもの。
そこへ地震や自動車、電車などの揺れが加わることで、壁の表面だけでなく家の構造部にもひび割れが及ぶ可能性が高まります。
地震の揺れはもちろん、自宅が大きな道路や線路沿いにある場合は、特にチェックが必要です。
基礎工事による施工不良
基礎工事において使うコンクリートの質が悪い、必要な鉄筋の数に足りないなどの施工不良があった場合、構造部が家の重さに耐えられず劣化が早まってひび割れの原因に。
新築住宅の基礎部分のひび割れに関しては、買主には物件の引き渡しから10年の間であれば、売主や住宅事業者に契約不適合責任を求め、補修や工事を依頼できる権利があります。
※施工会社や設計監理者の業務が不法行為として認められた場合は最長で20年
また、新築の住宅事業者には保険加入・供託が義務付けられているので(2009年10月1日より)、事業者が倒産した場合であっても、加入保険会社から補修費用が受け取れます。
ひび割れを放置した家にはどんなリスクがある?
ひび割れは自宅に潜む問題のサインである可能性もあり、放置すると様々なリスクの原因となります。
見逃したせいで構造部の耐久性が落ちたり、不同沈下が進んだりして、のちのち家の倒壊といった重大な問題に発展することも。
ひび割れがある家は、構造部への雨水の浸水から、柱や梁が腐ったり鉄筋がさび付いていたり、見えないところで劣化が進んでいるかもしれません。
また、ひび割れを補修しないで雨漏りすると、壁の中に湿気が溜まりやすくなってシロアリ発生の原因となったり、下地材が湿って断熱効果が減ったりする可能性も。
内壁のちょっとしたひび割れは、もしかすると不同沈下の兆候かも…と、発見したらまずは問題がないか確認することが大切です。
問題があるようなら早めの修繕がベストですが、空き家であったり、補修工事が大掛かりになる場合は、そのまま売ってしまう方が損がないかもしれません。
放置したまま維持管理費や固定資産税の支出を続けるよりも、更地にして土地のみの売却に切り替えたり、売却価格を少し下げたりして売却する方が良い結果になることもあるでしょう。
ひび割れのある家は購入希望者への安心材料を付けて売却を
家のひび割れは売却価格に影響し、一般の相場価格の約2〜3割安くなる可能性も。
基礎部分にある幅0.5mm以上のひび割れや、下地材に達した外壁のひび割れ、不同沈下による内壁のひび割れは、売却価格に大きく関わります。
家の構造部に不具合が起こっている可能性や、雨漏りや劣化スピードを速める恐れがあるため、注意が必要です。
ひび割れがあっても、修繕や修繕履歴の提示、既存住宅状況調査や既存住宅売買瑕疵保険への加入をすることで、購入希望者へ安心材料を提供できるでしょう。
信頼を強め、高値で売却できるかもしれません。
売却価格が気になる場合は、不動産会社に無料査定してもらうのもおすすめです。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不同産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。
那須塩原店 土屋 清