オール電化マンションは売れない…?売却方法やメリットもチェック!
こんにちは。栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
オール電化マンションとは、住まいに必要なエネルギーをすべて電気で賄うマンションのことを指します。
一般的なマンションと異なる設備を備えているので、「売れないといわれるのは本当だろうか?」と不安に感じている所有者もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで今回は、オール電化マンションが売れないといわれる理由と、売却の対策を解説します。
デメリットだけでなくメリットもご紹介しますので、ぜひあわせて参考にしてください。
オール電化マンションが売れないといわれる理由は?
オール電化マンションが売れないといわれる原因として、次の理由が挙げられます。
- 停電したとき生活が不便になる
- 電気代が上がると負担が大きい
- オール電化設備にかかる費用が高くつく
一般的には上記のような不安があるため、買い手が付きにくい傾向があります。
しかしながら、事前に買い手の懸念点を知っておき、適切な対策を取れば、スムーズな売却につながる可能性もあります。
1つずつ確認していきましょう。
停電したとき生活が不便になる
まず、「停電した際に生活が不便になるのではないか」という不安が挙げられます。
オール電化マンションは暮らしに必要なエネルギーをすべて、電気で賄っているからです。
2011年に起こった東日本大震災では、計画停電が実施されました。
停電で電気の供給を絶たれると、電気を使う設備や家電製品を使用できない状況になります。
ガスと併用したほうが無難だと判断する人は少なくないため、オール電化マンションは売れないといわれる原因の一つといえますね。
電気代が上がると負担が大きい
近年の電気代の値上がり傾向のために、金銭的な負担に不安を抱く人が多いことが挙げられます。
世界的に、石炭や原油などの輸入価格が高騰し、2023年から各電力会社で電気料金が見直され、東京電力でも2023年6月1日より料金が値上げされています。
買い手のなかには、「オール電化の場合、電気代が上昇すると大幅な負担が増えるのでは?」という不安から、購入を控える人もいるでしょう。
オール電化設備にかかる費用が高くつく
買い手の不安の一つとして、オール電化設備にかかる費用が高くつくという点が挙げられます。
オール電化設備とは、次のようなものです。
- エコキュート(ヒートポンプ給湯器)
- IHクッキングヒーター
オール電化で使われる給湯器は、一般的なものと比較すると、修理・交換の費用がかかる傾向があります。
また、IHクッキングヒーターを使用する場合、IH対応の調理器具の用意が必要です。
現在持っている調理器具が「IH非対応」の場合、新たに買い揃える必要があります。
オール電化マンションの今後の売りやすさはどうなる?
オール電化マンションには上記のような不安もあり、売りづらい印象がありますが、今後は徐々に需要が伸びる可能性もあります。
なぜなら、国の方針として、省エネルギー対策、電力系統の整備を進めているからです。
実際、2022年には省エネ性の高い設備の導入に対し、補助金を出すという「給湯省エネ事業」が創設されています。
省エネ性が高いと、電力の消費を抑えると同時に、石油系エネルギーの消費も削減できるからです。
今後ますます環境への意識が高まり、電力系統の整備が進めば、電力供給が落ち着く可能性もあるでしょう。
オール電化には安全性や環境への配慮といった面で、メリットがあります。
電気代への懸念が少なくなれば、利便性が重視され、将来的にはオール電化マンションも高く売れるという期待もありますね。
オール電化マンションを売るための方法
では、先に解説したデメリットを踏まえて、オール電化マンションを売るための方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、オール電化マンションのデメリットへの対策や、そのほか対策できるポイントをご紹介します。
- 蓄電池を設置する
- 買い手のターゲットを絞り込む
- オール電化設備の使用感を伝える
- オール電化であることのほかに売れない理由はないか検討する
1つずつ解説していきます。
蓄電池を設置する
停電に対する不安は、蓄電池の設置を行うとカバーできます。
蓄電池とは、電気を蓄えておき必要なときに使える装置のことで、バッテリーの一種になります。
一般的な家庭用の蓄電池なら室外機ほどのサイズです。
蓄電池があれば、電力会社からの供給電力を貯めておき、停電したときの非常用電源に使えます。
電気代の安い夜間に貯めて、電気代が高くなりがちな昼間に使うという工夫ができるので、節電にも有効な対策としてアピールできますね。
導入や定期的なメンテナンスにコストはかかるものの、国や自治体から補助が出る場合もあるので、ぜひチェックしてみましょう。
買い手のターゲットを絞り込む
買い手のターゲットを絞り込むのも有用な対策です。
マンション購入希望者の中には、「日々の安全性」を希望する人がいらっしゃいます。
詳しくはのちほど説明しますが、オール電化マンションには、火事のリスクが少ないという特徴があります。
高齢者や子どもがいるご家庭では特に、調理中の事故を不安に感じる人は多いでしょう。
オール電化マンションの場合、停電時には銭湯を利用したり、調理にカセットコンロを利用したりという対策も取れます。
日々の安全を優先したい人をターゲットにした広告を行うなど、購入者層を絞ると、スムーズに売却が進む可能性が高まります。
オール電化設備の使用感を伝える
オール電化設備にかかる費用の不安は、使用感を伝えてあげると払しょくしやすいです。
具体的には、おおよその電気代や、設備の使い方、導入している設備が最新のものかといった内容です。
オール電化設備の使用感を伝えると具体的な生活の想像ができるので、「意外と安いな」「使い方を工夫すれば節約できるな」と、購入を検討する場面があるかもしれません。
エネルギー効率やCO2削減率が高いので、マンション購入希望者によっては、環境に優しいことがアピールにつながるでしょう。
オール電化であることのほかに売れない理由はないか検討する
オール電化であることのほかに、オール電化マンションが売れない理由はないか検討することも大事です。
マンション物件が売れない理由には、価格の高さや宣伝活動の方向性の違い、築年数が古いなどの需要を下げる条件を抱えている可能性もあるからです。
「オール電化だから売れない」と結論を出す前に、不動産会社と相談して、売れない原因を探り、対策を取りましょう。
そのため、不動産会社には、信頼できる実績のある会社を選ぶ必要があります。
不動産会社の選び方は「不動産売却はどこがいい?一括査定や大手・地元の判断基準も解説」にて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
オール電化マンションの売却時にはメリットも伝えよう
最後に、オール電化マンションのメリットをご紹介します。
オール電化マンションのメリットを把握しておき、売却時には広告や内覧時にしっかりアピールできるよう、買い手にとってどのような点がプラスになるのかを知っておきましょう。
【オール電化マンションのメリット】
- 火災のリスクが少ない
- IHクッキングヒーターは掃除がしやすい
- 光熱費がまとめられ、家計管理が楽になる
- プランを上手に利用して光熱費が節約できる
- 停電時にはエコキュートで貯めた水を飲用以外の生活用水に活用できる
まず、オール電化マンションではガスを使わないので、ガス漏れによる火災発生がなく、安全性が高いことが大きなアピールポイントです。
IHクッキングヒーターを用いるので直火調理の機会はなく、料理中のほか、子どものいたずらで火事が起きることも心配する必要がないでしょう。
高齢の方に多い、ガス火の衣服への燃え移りの事故のリスクも防げます。
安全性の高さは、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭からご高齢の世帯まで、幅広くアピールできるメリットです。
IHの良い点として、火が出ないことでキッチンが暑くなりにくいほかに、ヒーター面がフラットになっているので、掃除が楽であるというポイントも挙げられます。
家計管理の面では、光熱費が電気代にまとめられるので「ガスの引き落とし日はいつだっけ?」と気にする必要がなくなります。
加えて、各電力会社の用意した契約プランを利用しやすくなり、深夜電力を使うなど工夫することで、電気代の節約につながるでしょう。
アピール時の注意点として、デメリットとメリットを平等に、情報を正確に伝えることが大切です。
買い手へ信頼感を与え、トラブルを回避することへもつながります。
「オール電化マンションは売れない」と判断する前に売れない原因の検討を
オール電化マンションは、住まいに必要なエネルギーをすべて電気で賄うマンションのことです。
オール電化なので停電時に生活が不便になる不安や、電気代上昇の影響で金銭的な負担が大きいのではないかといった不安から、買い手がつきにくい傾向があります。
しかし、オール電化には火事のリスクが少なかったり、光熱費がまとめられたりと、安全性だけでなく、電気代の節約につながるなどのメリットがあります。
オール電化マンションは電気代高騰があるとネックになりますが、ターゲットを絞ればスムーズに売れる可能性も期待できます。
そのため「オール電化だから売れない」と決める前に、ほかに売れない原因を探り、不動産会社と相談して対策を取ることが重要です。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。
那須塩原店 土屋 清