事故物件を売却することはできる?売却時のコツもご紹介
こんにちは。栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の小川です。
事故物件を所有している場合、「売却はできるのだろうか」と心配されている方は多いのではないでしょうか。
売却できるならどうやって売れば良いか、いくらで売れるのかといった懸念もあるでしょう。
そこで今回は、「事故物件を売ることは可能か」に焦点を当て、売却の相場や方法について解説していきます。
事故物件を売却するコツもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「事故物件」とはどのような物件?
不動産売買取引における「事故物件」とは、買い主に対して「心理的瑕疵(かし)」があると告知すべき土地や建物です。
事故物件に明確な定義はありませんが、殺人や自殺、孤独死など、人の死に関わって、心情的に抵抗が生じる物件といえます。
ただし、「誰かが亡くなった物件の全て」が事故物件に該当するわけではありません。
下記のような「死」については事故物件として告知しなくても良いと、国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関する ガイドライン」に記載されています。
- 病死や老衰などの自然死
- 日常生活で起こった不慮の死
- マンションなど集合住宅で日常的に使わない共用部分で起こった死亡事故 など
不慮の死の例としては、階段から転落したり、入浴中に溺れたり、食事中に誤嚥(ごえん)してしまったりといったものが挙げられます。
ただし、遺体が放置されて業者による徹底清掃(特殊清掃)が行われるような事故・自然死であったり、エレベーターや廊下、駐車場など、日常的に使う共用部分で発生したりした場合は例外です。
「他殺や自殺、事故死、火災などによる死亡」とあわせて、事故物件として告知する義務があります。
事故物件は売却可能?
事故物件は売却可能かどうか、結論からいえば、法的に問題はありません。
ただし、売却自体は可能とはいえ、心理的に不安や嫌悪感を抱かせやすいという面から、通常の物件よりも「買い手が付きにくい」「売却価格が低い」といった傾向がある点は押さえておく必要があるでしょう。
事故物件の売却相場
事故物件の売却相場は、瑕疵の程度や、物件の状況・立地条件などによっても違いはありますが、市場相場よりも1~5割ほど下がる傾向があります。
中でも他殺事件や大きな火災による死亡など、よりショッキングなものや、社会的に影響が強いものなどは、大きく値下がりする恐れがあるでしょう。
心理的な抵抗や嫌悪感が強くなるほど買い手が付きにくくなり、「売るためには安くせざるを得ない」ということです。
事故物件について売り主には告知義務がある
「事故物件であるとバレなければ安く売らずに済む」という考えが頭をよぎるかもしれませんが、隠すのは絶対にNGです。
売り主は、物件の瑕疵について買い主に伝える義務があるからです。
義務を怠って隠したまま売却した場合、買い主から「契約不適合責任」を問われる可能性があります。
「事故物件だと知っていたら買わなかった」とトラブルになり、売買契約の解除や、売買価格の減額、損害賠償を請求される恐れがあるのです。
心理的瑕疵以外の瑕疵や、告知義務違反のリスクについては「不動産売却は告知義務がある!告知が必要な瑕疵や売却時の注意点も」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
事故物件の売却方法
事故物件の売却方法としては、「建物を残したまま売却する」「解体して更地にして売る」の大きく2つに分かれます。
一般的に、家か土地の二択であれば、「心理的な抵抗感は家に付きまといやすい」とイメージされる方は少なくないでしょう。
そのため、亡くなった現場である家屋を解体し、土地のみで売り出すのも方法の一つです。
更地にしても告知義務があることに変わりはありませんが、更地で売り出せば、居住用でなく駐車場用地として、土地のみの利用もしやすい利点があります。
ただし、解体には費用がかかりますし、土地のみの物件にすれば税金の負担も上がるデメリットもあります。
なにより、事故物件だからといって買い手が付かないと決まったわけではありません。
建物が居住用として問題なく活用できるなら、建物を残したまま売ったほうが、「なるべく安く購入したい」「自分でDIYしたい」といった、潜在的な買い手の幅を増やすことにもつながるでしょう。
また、「自分はまったく瑕疵を気にしない」という買い手もいらっしゃるかもしれません。
売り主だけの判断で建物の処分を決めてしまうと、後悔につながる可能性もあります。
建物を残すか解体するか、どちらが良いかは物件によって異なりますので、不動産会社と相談して、瑕疵の客観的判断を行いつつ、慎重に決めることをおすすめします。
なお、なるべく早く売りたい場合には、不動産会社に直接売却する「買取」という方法もあります。
価格は一般の買い手に売るよりも下がる傾向があるものの、より早く売れる期待が持てますので、ぜひ検討してみてください。
買取については「不動産売却の仲介と買取の違いを解説!メリット・デメリットもご紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
事故物件を売却するためのコツも確認!
最後に、事故物件を売却するための3つのコツをご紹介します。
- 「明るく」「きれいに」「清潔に」物件を整える
- 査定時に事故物件であると不動産会社に伝えておく
- 期間を空けて売り出す
まず、事故物件の評価は、不安や嫌悪感をどれだけ感じるかによって左右されるといえますから、なるべくイメージを良くする対策がポイントとなります。
汚れや修繕が必要な箇所があると、事故物件の悪いイメージにつながりやすいです。
内覧時に暗い・汚いといった印象ではなく、明るく清潔な印象を与えられるように、修繕や清掃を行いましょう。
自分で対応できない場合は、ハウスクリーニングなど業者の力を借りるのがおすすめです。
リフォームも手段の一つですが、費用が高くなりやすいですし、買い手によっては自分でリフォームに携わりたいケースもあるため、不動産会社に相談しつつ進めていきましょう。
次に、事故物件であることは査定依頼の段階で、不動産会社に伝えておくほうが無難です。
不動産会社によっては事故物件を避ける場合もあるので、仲介(媒介)契約を頼む前に説明をしておくとスムーズですね。
最後に、事件や事故などからそれほど時間が経っていない場合は、いくら清掃してきれいに整えても、マイナスイメージがつきまとう可能性が高いです。
不動産会社と相談し、売り出し時期を延期することも、事故物件を売却するコツといえます。
事故物件の売却は客観的な意見を交えて慎重に進めよう
事故物件とは、人の死に関わって心情的に抵抗が生じる物件であり、通常の物件よりも買い手が付きづらい傾向があります。
しかし、事故物件である事実を隠してしまうと、事実を知った買い主に契約不適合責任を問われることも。
契約解除や売却価格の減額、損害賠償を求められる恐れがありますから、絶対にNGです。
建物を解体して更地にして売る方法もありますが、心理的瑕疵を懸念する買い手ばかりとは限りません。
更地にするには解体費用もかかりますので、売却の進め方は不動産会社の客観的な意見を交えて、慎重に進めていくことが重要です。
事故物件を売るためには、不安や嫌悪感を少しでも和らげるよう、修繕や清掃、リフォームなどの対策が有効です。
リフォームについては買い手の都合もありますので、不動産会社に相談してみてください。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。