不動産の相続税はいくらになるか計算方法を確認!抑えることも可能
こんにちは! 栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
不動産の相続には、内容に応じて相続税が課税されます。
現金と違って相続額が明確ではないので、「相続額がいくらになるのかな?」と疑問を持つ方もいるでしょう 。
今回はそんな方へ向けて不動産の相続税について解説!
相続税の計算方法や不動産の相続税評価額の出し方、不動産の相続でチェックしておきたい控除や特例についてお話しします。
不動産の相続税とは? 計算方法を確認!
親が死亡して土地や家などの不動産を相続したら、相続税がかかります。
相続税は現金で納めるものなので、現金を相続した場合はもちろん、相続した財産が不動産だけだとしても現金で税金を払う必要があります。
まずは相続税の計算方法についてみていきましょう。
■課税対象相続額=遺産総額-基礎控除
■基礎控除=3,000万円+法定相続人数×600万円
相続税額と控除額は以下の通りです。
※2021年9月時点
遺産相続額が基礎控除よりも小さい場合は、相続税はかかりません。
たとえば、1,000万円の土地と2,000万円の建物、現金5,000万円を妻と2人の子で相続した場合。
基礎控除は3,000万円+3人×600万円=4,800万円
課税対象となる相続額は(1,000万円+2,000万円+5,000万円)-4,800万円=3,200万円
法定相続分通りに分けるとすると配偶者は1/2、子は1/4となるので、それぞれの課税相続額は妻1,600万円、子800万円ずつとなります。
この金額を先ほどの相続税率と控除額に当てはめます。
妻の相続税:1,600万円×15%-50万円=190万円
子の相続税:それぞれ800万円×10%=80万円
相続税額の合計は190万円+80万円+80万円で350万円となります。
法定相続分の通りに分配しない場合は、算出した相続税額の合計350万円を実際の相続額の割合に応じて按分します。
不動産の相続税はいくらになる? 評価額の計算方法を知ろう
遺産総額を計算する際、現金はわかりやすいですが、不動産はいくらと判定すべきでしょうか。
単純に購入した金額で計算できるわけではなく、「相続した不動産に相続税がかかるのか」「かかるとすればいくらかかるのか」を知るためには、不動産の評価額を確認する必要があります。
土地、建物、賃貸用物件の種類別に、不動産の評価額を調べる方法をご紹介します。
土地の相続税評価額
通常、土地の評価額は「路線価」または「倍率方式」を用いて算出します。
相続税の計算における土地の評価額「相続税評価額」は、路線価や倍率方式で算出された評価額の80%程度となることが多いです。
路線価
路線価とは、道路に面する土地1㎥ごとに定められた価格です。
間口が小さい、奥行きが長いなど、いびつな形の土地については補正をしたうえで土地の評価額を算出します。
路線価による土地の評価額=路線価×面積×補正率
路線価については国税庁のホームページでも確認できます。
倍率方式
路線価はすべての土地に設定されているわけではなく、路線価がない土地については「倍率方式」にて評価額を算出します。
倍率方式による土地の評価額=固定資産税評価額×国税局長が地域ごとに定める倍率
固定資産税評価額は自治体から毎年送られてくる固定資産税の納税通知書で、倍率については国税庁のホームページで確認できます。
建物の相続税評価額
被相続人が住んでいた自宅を相続した場合は、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。
固定資産税評価額は固定資産税の納税通知書で確認しましょう。
手元に納税通知書がない場合は、自治体の窓口で固定資産課税台帳を閲覧したり、固定資産税評価証明書を取得したりして確認することもできます。
基本的に、建築にかかった費用の50~60%程度の評価額となることが多いです。
第三者に貸していた物件、賃貸用物件の評価額
被相続人の自宅ではなく、第三者に貸していた物件や、賃貸アパートなど事業用の物件を相続した場合は、評価額がさらに低くなります。
第三者に貸していた場合は固定資産税評価額から30%差し引いた70%の額。
賃貸アパートなどの場合は30%に、賃貸している部屋の床面積割合を掛けたものを差し引きます。
たとえば貸している部屋の床面積合計が物件全体の50%だった場合、相続税評価額は【固定資産税評価額×(0.3×0.5)】となります。
貸している割合が大きいほど、相続税評価額が低くなります。
不動産の相続税を抑える方法もチェック!
不動産の相続税の計算では、上記で紹介した計算に加え、条件によってさまざまな控除や特例を適用することができます。
不動産の相続税を抑えるための控除や特例をご紹介します。
配偶者の税額軽減
配偶者が相続する場合は、1.6億円または法定相続分のいずれか高い金額までが相続税非課税となります。
この制度を利用すれば、多くの場合で配偶者は非課税となるでしょう。
軽減税率を受けるためには相続税の申告期限までに遺産分割を終え、税額軽減の明細を記載した相続税の申告書とともに、戸籍謄本や遺産分割協議書の写しなどを添付して提出する必要があります。
未成年者の税額控除
相続人が未成年者の場合は、相続税額から一定の額を差し引かれます。
控除額は、未成年相続人が満20歳になるまでの年数1年につき10万円。
申請などは特に必要ありません。
小規模宅地等の特例
一定の条件に当てはまる土地の相続に対して、土地の相続税評価額を大きく減額する制度です。
対象となる土地は、被相続人が住んでいた土地・事業で使っていた土地・賃貸していた土地の3種類。
どれも、相続税の申告と同時に手続きが必要です。
【1】被相続人が住んでいた土地
330㎥までの面積を80%減額。
主な条件は配偶者が相続する、または被相続人と同居していた相続人が相続することです。
【2】事業で使っていた土地(貸付事業以外)
400㎡までの面積を80%減額。
主な条件は、相続開始前から事業を営んでいて、少なくとも相続税の申告までの間は事業を継続することです。
申告期限までに廃業や転業した場合は適用できません。
【3】賃貸していた土地
最大400㎡までの面積を50%減額。
主な条件は相続開始前から土地を賃貸していて、少なくとも相続税の申告までの間は賃貸を継続することです。
不動産の相続税は現金一括で納付しなくてはいけないので、高額になると負担が大きいもの。
これらの特例が適用になるかどうか必ずチェックして、該当する場合は手続きを忘れないようにしましょう。
不動産の相続税の計算方法や評価額、抑える方法を理解しておこう
家や土地などの不動産を相続したとき、遺産の総額によっては相続税がかかる可能性があります。
相続税は基礎控除額を超えた部分にだけ課税されます。
基礎控除額や不動産の相続税評価額を確認したうえで、相続税額がどのくらいかかるのか計算してみましょう。
相続税額を抑える控除や特例についてもチェックし、適用できる場合には手続きを忘れずに!
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那須塩原店 土屋 清