土地の売却相場の調べ方は?価格の決まり方や高く売るコツも解説
こんにちは!栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
「土地を売りに出したい」「住み替えを検討中」という方にとって、土地の相場価格は気になるポイントですよね。
実際の売却価格は不動産会社に査定を依頼しますが、査定額が適当か判断するために、売却相場を知っておく必要があります。
そこで今回は、土地の売却相場を調べる方法と調査における注意点を解説します。
価格に影響する土地の条件や高く売るコツもご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
土地の売却をする際に、相場はどう調べれば良い?
土地を売却する際、相場はどう調べれば良いのでしょうか。
売却相場の調べ方には、下記の6つの方法があります。
- 土地総合情報システム
- 路線価図・評価倍率表
- 全国地価マップ
- ポータルサイト
- REINS Market Information(レインズ・マーケット・インフォメーション)
- 査定
そして、土地の価格にも下記5つの種類があります。
- 実勢価格
- 地価公示
- 基準地価
- 相続税路線価
- 固定資産税路線価
相場を調べる方法ごとに示される価格に違いがあるため、複数の媒体でチェックをし、正確な相場を把握することが重要です。
知っておきたい5種類の土地価格
まず、調べ方の前に5種類ある土地の価格について知っておきましょう。
実勢価格
実勢価格は、国土交通省が土地購入者(買主)に実際の取引についてアンケート調査した価格です。
そのため、市場での売買価格とほとんど差がなく、売却価格を調べる際に参考にしやすいです。
ただし、同じエリアの取引や売り出し物件が少ないと精度が低く、居住期間が長い方が多い地域では情報が古い場合があります。
地価公示
地価公示は実際に取引された価格ではなく、不動産鑑定士によって調査され、国土交通省が毎年発表します。
土地の売買や資産としての評価をする際に、適正価格の判断目安として活用される価格です。
基準地価
基準地価は、各都道府県が公表します。
利用の目的や評価方法において、地価公示とほとんど差はありません。
相続税路線価
路線価とは、道路に接する土地1㎡あたりの評価額です。
そのうち、相続税の計算に使われる価格を相続税路線価と呼びます。
固定資産税路線価
路線価のうち、固定資産税を算出する際に使用する価格です。
土地の売却相場を知る6つの方法
ここまで、土地価格の種類と関係を確認しました。
続いては、冒頭で紹介した売却相場を調べる方法を6つ、解説していきます。
土地総合情報システム
土地総合情報システムは国土交通省が運営するサイトです。
トップページから2つの情報検索窓が利用でき、「不動産取引価格情報検索」では実勢価格、「地価公示都道府県地価調査」では地価公示と基準地価を探せます。
検索の流れを見ていきましょう。
【不動産取引価格情報検索の場合】
まずは検索ページに入り、取引の時期・種類・地域を選択します。
地域を絞れば相場の精度は上がりますが、件数が少ないと参考にしづらいので、最低50件は表示するのがおすすめです。
検索結果はリスト表示され、「取引総額」にある数字が実勢価格となります。
売却予定の土地と近い条件の事例をチェックし、取引総額の平均値を出したものが相場です。
【地価公示都道府県地価調査の場合】
検索ページに入り、日本地図上で調べたい県・地域をクリックすると、検索条件指定画面に移ります。
条件を指定する際「地価」の欄を入力する必要はありません。
検索結果の「価格(円/㎡)」が、地価公示・基準地価です。
路線価図・評価倍率表
路線価図・評価倍率表は国税庁が運営するサイトで、相続税路線価が検索できます。
トップページから、相場を調べたい土地の都道府県を選び、表示された「財産評価基準書目次」の「路線価図」をクリックします。
路線価図の道路上に書かれた数字が、1㎡あたりの土地評価額となります。
地図上の路線価は千円単位のため、土地評価額×1,000が相続税路線価です。
全国地価マップ
全国地価マップは、一般財団法人資産評価システム研究センターが運営するサイトです。
実勢価格以外の土地価格情報が閲覧でき、固定資産税路線価の検索におすすめです。
相場を知りたい土地に面した路線価ラインをクリックすると、画面左側に「固定資産税路線価情報」が表示されるので、1㎡あたりの路線価を参照してください。
ポータルサイト
ポータルサイトとは、総合不動産サイトのことです。
広告元は全国にある不動産業者で、売り出し中の物件が掲載されています。
写真付きで表示されているので、どんな物件がどれくらいの価格で売れるのか、周辺環境は整っているかなども見ることができます。
視覚的な情報も得られるため、自分の土地に近い物件の相場がわかりやすいです。
REINS Market Information(レインズ・マーケット・インフォメーション)
REINS Market Informationは、不動産流通機構が運営しているサイトです。
日本全国で行われた取引において、成約価格や所在地域などの情報を提供しています。
検索項目は「マンション」と「戸建」ですが、工夫すれば土地の相場も調べられます。
まずトップページから「戸建」の地域を選び、続いて表示されたページで追加検索条件を指定します。
指定する項目のうち築年数を「20年超」に設定するのがコツです。
戸建物件はおよそ築22年で価値がゼロになると言われているため、上記の条件付けを行うことで得られる結果は、土地そのものの価値とほぼ同じであると考えられます。
他の調査手段と比較する際に、活用してみてくださいね。
査定
査定は、不動産会社に依頼して複数の土地価格を調べ、総合的に価格を算出する方法です。
不動産のプロに調査を任せるため、最も効率的な調査法と言えます。
ただし、業者によって価格に幅が出る可能性もあります。
複数の不動産会社に査定の依頼をしたり、インターネット上で一度に複数の査定依頼ができる「一括査定」なども活用しましょう。
土地価格の種類を相場の参考にする方法
実勢価格が実際の取引価格に最も近く、売却相場の参考にしやすいと説明しましたが、そのほか4つの価格とどのように比較すれば良いのでしょうか。
実勢価格は地価公示の1.1倍程度で、ほぼ違いがありません。
地価公示と基準地価は評価法に違いがないため、同一価格とします。
相続税路線価は地価公示の約0.8倍、固定資産税路線価は地価公示の約0.7倍が目安です。
下記の計算式で、実勢価格に換算して比較してみましょう。
- 実勢価格=公示地価×1.1
- 地価公示=相続税路線価×0.8
- 地価公示=固定資産税路線価×0.7
土地売却で知っておきたい土地の価値の決まり方とは?
土地の価値の決まり方として、大きく分けて3つのポイントがあります。
- 土地の特徴
- 立地条件
- 物件の周辺状況
一つずつ解説していきましょう。
土地の特徴
土地の面積や形などの特徴は、価格を決める大きな要素です。
居住スペースが広く取れ、家を建てやすい土地は、一般的に高値になることが多いです。
反対に、建ぺい率(敷地面積に対する建築物の割合)や容積率(知識面積に対する延べ床面積の割合)が低く形が歪な土地は、建築可能な建物の幅が狭いため売却相場はどうしても低くなる傾向があります。
間口(道路と接する面)が広いのも、車の出入りがしやすいため、価格に対するプラスの要素です。
立地条件
物件の位置も、土地の価格を決めるポイントです。
マンションでも人気の角地や、複数の道路に面している土地は出入りがしやすく、需要が高い傾向にあります。
日当たりや風通しが良い土地も価格が高くなりやすいです。
また、一般的には南、東、西、北向きの順で、売却相場は下がっていきます。
土地の向きは前面道路(敷地に接する道路)の方位で決まり、例えば南向きの土地は土地の南側に道路が接している状態を指します。
物件の周辺状況
土地の周辺状況も、相場に大きく関わります。
最寄り駅や商業・公共施設に近くて生活に便利なエリアや、再開発の予定がある地域など、居住者のニーズに応えやすい環境の物件は人気が高く価格が上がりやすいでしょう。
郊外よりも都市部の相場が高いイメージですが、近くにお墓があったり崖下の立地であったりすると、価格にマイナスな影響があるため確認が必要です。
土地の売却相場を調べる際の注意点も確認!
続いて、売却相場を調べる注意点も確認しておきましょう。
大事なポイントは、下記の3つです。
- 土地の売却相場は最新情報を活用する
- 相場と実際の売却価格は異なる
- 自分で調査した相場はあくまで目安
土地の売却価格を調べる際は、最新の情報かどうかを確認しましょう。
価格は変動的なものですので、過去に調べた価格データから変化している可能性が高いです。
また、次の段落でもご紹介しますが、土地の価格は周辺状況に大きく影響されるため、相場と実際の売却価格に差が出ることもあります。
自分で調査した相場はあくまで目安と考えましょう。
土地の売却相場をアップさせるコツもチェック!
土地の売却相場をアップさせるコツは、以下の2点です。
- 売却のタイミングを測る
- 土地の整備を行う
それぞれ詳しく解説します。
売却のタイミングを測る
土地を高く売るには、売り時かどうかを判断することが大切です。
将来的に値上がりが予測される場合は一旦売却を待ち、値下がりの見込みがある場合は、価格が落ち込む前に売却しなければ損をしてしまう可能性も。
また、価格が上がりやすい時期は新生活の準備で住宅の需要が増える1〜3月、不動産会社の繁忙期(3月・8月)です。
引っ越しが増えるタイミングに備え、物件の保有数を増やそうとするため、その他の期間より高価買取が期待できます。
土地の整備を行う
土地は放っておくと雑草が生い茂ってしまい、周辺住民からのクレームが発生してしまう可能性もあります。
草を刈るなど整備を行えば、ある程度の費用や手間はかかりますが、購入希望者の印象も良くなるため売却のチャンスを逃さずに済むでしょう。
また、隣接地がある場合は、測量を行って土地ごとの境界線を明確にしておくと、好条件での売却がしやすくなります。
境界線を曖昧にしておくと、あとから隣地の所有者とトラブルに発展する可能性があるため、買主にとっての不安要素はあらかじめ取り除いておくことが大切です。
土地の売却相場を知るためには比較が大切!
土地の売却相場を調べる方法は6つあり、知りたい土地価格の種類に応じて使い分けます。
どれか1つではなく、複数の調査法で相場を調べて結果を比較することが大切です。
実勢価格が実際の取引価格に最も近く、売却相場の参考にしやすいため、紹介した計算式で実勢価格に換算してみてくださいね。
価格は変動的なものですので、相場を調べる際は活用するデータが最新のものか確認することも必要です。
また、売却の際には土地の特徴、立地条件、周辺状況などが土地の価値に影響するため、相場と市場価格が異なる可能性があります。
自分で調べた相場は、あくまで目安としましょう。
そして売却のタイミングも価格に関わる重要な要素です。
高く売れる時期を見極めること、買い手に魅力的な土地に整備することが、売却価格をアップさせるコツですよ。
相場を自分で調べるのは不安という方は、無料査定など不動産会社に依頼を出すのもおすすめです。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談くださいね。
那須塩原店 土屋 清