お金のこと

不動産売却益とは?計算方法や課される税金も確認!節税する方法も

こんにちは!栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の小川です。

 

家や土地、マンションなどを売って得たお金を「不動産売却益」と呼び、不動産を所有する権利を譲渡して得たお金のことを「譲渡所得」といいます。

 

所得は課税され、不動産売却益には「譲渡所得税」という税金がかかります。

譲渡所得税は不動産売却益によってかかる金額が異なるため、詳しく知っておく必要があります。

 

そこで今回は、不動産売却益(譲渡所得)の概要と計算方法と課される税金について解説!

節税する方法や、売却に関わる確定申告の必要性もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

 

不動産売却益とは?計算方法も確認!

不動産売却益とは、家や土地などの不動産を売った金額(売却価格)から、売却にかかる費用を差し引いた金額を指します。

 

例えば2,000万円の不動産を売却し、かかった費用が1,500万円の場合、不動産売却益は500万円です。

この500万円は不動産を買主(買い手)に譲渡した所得であるため、税法では「譲渡所得」となり、所得税がかかります。

 

では実際に、不動産売却益をどのように計算するか確認しましょう。

 

不動産売却益の計算方法とは?

不動産売却益(譲渡所得)は、不動産を売却して得た金額から、不動産の取得にかかった金額と譲渡にかかった費用を足したものを引いて計算します。

 

売却において特別な要件に該当する場合は、さらに「特別控除(特例による控除)」の金額を差し引けます(特別控除については後ほど「不動産売却益に課される税金とは?」の章で詳しく説明します)。

 

以上の内容をまとめると、次のような計算式になります。

 

■不動産売却益(譲渡所得)=売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除

 

ただし売却価格から取得費や譲渡費用、特別控除すべてを引いた金額がマイナスになった場合は、譲渡所得は0円となるため所得税はかかりません。

金額が残った場合のみ、譲渡所得として課税されます。

 

続いて、「取得費」や「譲渡費用」がどういったものか、詳しく見ていきましょう。

 

不動産の取得費とは?

取得費とは、売却不動産を手に入れる際にかかったお金で、主に次のようなものを言います。

  • 不動産の購入代金
  • 建築代金
  • 仲介手数料(売買契約をサポートしてくれた不動産会社に支払うもの)
  • 不動産の取得にかかった税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税など)
  • 設備費やリフォーム費用
  • 借主への立退料(土地や建物から立ち退かせるために支払ったもの)
  • 造成費用(土地の埋め立てなど地ならしにかかるもの)
  • 土地の測量費
  • 訴訟費用(所有権確保にかかった費用で、遺産分割費用を除く) など

 

しかし、相続で得た不動産など、取得に一体いくらかかったかわからない場合もあるでしょう。

 

その場合は、売却金額の5%相当額を取得費にできます(実際の取得費が売却金額の5%を下回ったときも適用可能)。

 

取得費計算の注意点として、取得した不動産が「建物」の場合、取得費から経過年数に応じた「減価償却費」を引かなければいけません。

土地と違い、建物は年数が経つごとに劣化し、価値が減っていると考えられるからです。

 

減価償却費の計算方法

今回は、建物が事業に使われていなかった場合の計算方法をご紹介します。

使われていた場合は、取得から売却までの毎年の減価償却費の合計額となるのでご注意を。

 

減価償却費の計算式は次の通りです。

 

■減価償却費=建物購入代金×0.9×償却率×経過年数

 

「償却率」は木造や鉄筋コンクリートなど建物の構造によって変わり、木造の場合は「0.031」、鉄筋コンクリートでは「0.015」と定められています。

 

例えば、木造一戸建てを3,000万円で購入し10年間住んだとき、計算式は次の通りです。

 

■3,000万円×0.9×0.031×10年=837万円

 

取得費についてより詳しい情報を知りたい方は、国税庁の「No.3252 取得費となるもの」もご参考くださいね。

 

続いて、譲渡費用についても解説します。

 

不動産の譲渡費用とは?

譲渡費用とは、不動産を売るために直接かかったお金で、次のような費用を計上できます。

  • 仲介手数料
  • 登記費用(不動産登記にかかる手数料)
  • 立退料(貸家の売却に関して支払ったもの)
  • 取り壊し費用(建物を取り壊して土地を売るためのもの)
  • 売買契約にかかった印紙税・測量費 など

 

注意点として、修繕費や固定資産税など不動産所有にかかる費用、価値を保つための出費は、売却時に直接関わりがないため譲渡費用には含まれません。

 

譲渡費用について、詳しくは国税庁の「No.3255 譲渡費用となるもの」をご参照くださいね。

 

 

不動産売却益に課される税金とは?

不動産売却益は譲渡所得であるため、金額が発生した場合は「譲渡所得税」が課されます。

譲渡所得税の計算は、譲渡所得に国が定めた税率をかけて行います。

 

譲渡所得税の2つの税率

譲渡所得税には、東日本大震災復興のために設けられた復興特別所得税(2037年12月31まで)を含む所得税率と住民税率があります。

 

各税率は、売却する不動産の所有期間が売却する年の1月1日時点で「5年」が経過しているかどうかで分類されます。

5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり、それぞれの税率は次の通りです。

 

所得税率(復興特別所得税を含む) 住民税率
短期譲渡所得 30.63% 9%
長期譲渡所得 15.315% 5%

 

 

不動産売却益を節税する方法がある?

不動産売却益を節税する方法として、次のような特例があります。

  • 自宅を売ったときの3,000万円控除の特例
  • 特定の自宅を買い換えたとき譲渡益を繰り延べできる特例
  • 自宅を売ったときの軽減税率の特例

 

それでは、1つずつ確認していきましょう。

 

自宅を売ったときの3,000万円控除の特例

1つ目は、売却する不動産が自宅(居住用財産)であった場合、所有期間の長さに関わらず譲渡所得から最高3,000万円が控除できる特例です。

 

適用に必要な主な条件は、譲渡先と親子や夫婦など特別な関係でないことのほか、住まなくなってから3年が過ぎる日の属する年の12月31日までに売るという期限的な要件もあります。

 

この特例について詳しい要件は、国税庁の「No.3302 マイホームを売ったときの特例」をご覧ください。

 

特定の自宅を買い換えたとき譲渡益を繰り延べできる特例

2つ目は、特定の自宅(居住用財産)を令和3年12月31日までに売却し、買い換えを行った際、一定の条件で譲渡益にかかる課税を将来に繰り延べられる特例です。

 

この特例は対象期間が延長され、現在は「令和5年12月31日までの売却(譲渡)」となっています※。

※ただし令和6年1月1日以後に建築確認を受ける住宅(登記上の建築日付が2024年(令和6年)6月30日以前のものを除く)または、建築確認を受けない住宅で建築日付が2024年(令和6年)7月1日以降のものは、省エネ要件あり

 

主な利用条件は、譲渡した年の1月1日時点の所有期間が10年を超え、居住期間も10年以上あることです。

 

特例を適用すると、売却した年の譲渡益への課税を控え、買い換えた自宅を将来的に譲渡した時点まで課税のタイミングをずらせます。

非課税となるわけではありませんが、買い換えた家を売らない限り課税されないため、新しい家に住み続ける場合大きなメリットがあります。

 

詳しくは国税庁の「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」を参照してみてくださいね。

 

自宅を売ったときの軽減税率の特例

3つ目は、自宅を売った際一定の要件に該当するとき、長期譲渡所得の税額へ軽減税率(通常より低い税率で計算する方法)を適用できる特例です。

 

売却した年の1月1日において所有期間が10年を超え、譲渡先が特別な関係でないことが主な条件となり、次の軽減税率で求めます。

  • 6,000万円以下:課税長期譲渡所得金額×10%
  • 6,000万円を超える部分:(課税長期譲渡所得金額-6,000万円)×15%+600万円

 

課税長期譲渡所得金額は(土地建物を売った収入金額)-(取得費+譲渡費用)-特別控除で求めます。

 

また、令和19年までは「所得税」に対して一律2.1%をかけた金額が「復興特別所得税」として納税額にプラスされます。

自宅買い換えの特例とあわせての利用はできませんが、自宅を売ったときの3,000万円控除の特例との併用は可能です。

詳しい利用条件などは、国税庁の「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」をご参照ください。

 

 

不動産を売却したら確定申告が必要!

不動産売却で得た譲渡所得は、いくつかの種類の分かれる所得の中でも、他と分けて課税する「分離課税」の対象です。

分離課税の制度では「確定申告」を行う義務が法律上定められています。

 

確定申告とは?

確定申告は、1年間の所得にかかる所得税を正しく計算するための手続きです。

不動産を売却した翌年、2月16日から3月15日の間に申告を行います。

 

手続きとして、譲渡所得税を計算して確定申告書を作成し、必要書類を売却不動産の住所を担当する税務署に提出します。

 

確定申告の手続きについて、詳しくはこちらのコラムで解説しています。

不動産売却で確定申告は必要?手続きの流れや必要書類など解説!

 

確定申告はなぜ必要?

確定申告をしなければ「譲渡所得を隠した」として、脱税の罪に問われる可能性も。

 

反対に確定申告を正しく行うことで、不動産売却で発生した赤字をほかの所得で相殺し、課税される所得金額を減らせます。

 

赤字を防ぐ方法は、こちらのコラムで詳しく解説しています。

家の売却でマイナスになったら?利用できる特例や赤字を防ぐ対策

 

 

不動産売却益(譲渡所得)は確定申告をお忘れなく!

不動産売却益は、家や土地を売った金額から、売却にかかった費用を差し引いた所得です。

 

売却にかかった費用とは、取得費や譲渡費用、一定の条件下での特別控除を指します。

差し引いた残額は譲渡所得税額として課税対象となり、売却した不動産の所有期間によって、税率が「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」の2種類に分かれます。

 

不動産売却益の節税方法にはいくつかあり、適用条件も異なるため、売りたい物件が該当しているか確認が大切です。

 

不動産売却益があった場合、確定申告は必須です。

申告漏れは脱税を疑われる危険性もあるため、期間内に忘れず行いましょう。

 

不動産売却に関して疑問や不安がある場合は、不動産会社への相談がおすすめです。

栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。

無料査定

不動産売却なら多くのお客様から
信頼いただいている
当社にお任せください!

ご相談・お問合せ

不動産に関するご相談・
お問い合わせはこちらから

閉じる
バナー