不動産売却の基礎知識

不動産の引き渡し猶予とは?特約を付けるデメリットもご紹介!

こんにちは!栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の星です。

 

不動産の引き渡し猶予とは、家の売却代金の決済後、本来ならすぐに物件を引き渡すべきところを、買い主に一定期間引き渡しを待ってもらうこと。

 

住宅の買い替え(住み替え)を検討されている方には「住宅ローンの残債があるから売却後でないと新居が買えない」「明け渡すまで数日待ってほしい」と希望する方もいるでしょう。

 

そこで今回は、不動産の引き渡し猶予について徹底解説。

売却の流れや特約を付けるデメリットもご紹介しますので、ぜひあわせて参考にしてみてください。

家の受け渡しイメージ

 

 

不動産の引き渡し猶予とは?

不動産の売却では、買い主が物件の売買代金を支払ったあと、所有権移転登記(買い主への名義変更)が行われ、同時に鍵の受け渡し(物件の引き渡し)をするのが通常です。

 

売り主は引き渡しを行う日までに、家を空き家にしておく必要があります。

 

しかし、中には引越し準備が整わず、「引き渡しを数日待ってほしい」と希望するケースもあります。

 

不動産の引き渡し猶予とは、買い主にお願いし、例外的に引き渡しの期日を一定期間延期してもらうことをいいます。

 

基本的に、猶予期間において賃貸料など金銭は発生しません。

猶予を設けるのは買い主の厚意が前提となるので、猶予の目安は1週間前後、3~10日ほどが一般的です。

 

では、不動産の引き渡し猶予が必要になるケースは、いったいどんな場合でしょうか。

 

不動産の引き渡し猶予が必要なのは「売り先行」のケースのみ

自宅を売って新居に住み替える方法には、「買い先行」と「売り先行」の2種類があります。

 

結論から先に言うと、不動産の引き渡し猶予が必要になるのは、「売り先行」を行うケースです。

 

まず、2種類の違いを簡単に確認しましょう。

 

買い先行とは?

買い先行は、新居を購入してから自宅の売却を行う方法で、次のような人に向いています。

  • 売却する自宅の住宅ローンが完済している
  • 新居の購入資金の当てがある(経済的に余裕がある)
  • 新居選びをじっくり行いたい

 

新居の購入後、入居の段取りが整えば好きなタイミングで引越しが可能です。

売却時には自宅はすでに空き家になっているため引き渡しの準備に焦ることもなく、猶予を設ける必要もありません。

 

売り先行とは?

売り先行は、自宅の売却を行ってから新居を購入する方法で、次のような人が選択することが多いです。

  • 売却する自宅の住宅ローンがまだ残っている
  • 自宅の売却代金を新居購入費用に充てたい
  • 売却活動をじっくり行いたい(売却価格を妥協したくないなど)

 

自宅を売った代金を、新居購入費用、引越し代に充てたい人は、売り先行が良いでしょう。

 

しかし、売却した時点でまだ新居を購入していないため、買い主から売却代金を受け取った決済日に引き渡しを行う(空き家にする)ことはできません。

 

その場合、売り主に可能な選択肢は次の2つです。

  • 賃貸マンションや実家など「仮住まい」へ一時的に移り住む
  • 買い主に新居決定まで、引き渡し猶予をお願いする

 

仮住まいに引越しすると、新居に移り住む際と合わせて、2度の引越しが発生してしまいます。

引越しの手間や費用を抑えたい場合は、買い主に引き渡し猶予をお願いする必要があるでしょう。

 

売り先行・買い先行については、「家の住み替えのタイミングはいつが良い?売却に向いている時期も解説」でも解説していますので、ぜひあわせて参考にしてみてください。

 

 

不動産の引き渡し猶予特約を付けたときの売却の流れ

引き渡し猶予特約を付けたときの売却の流れは、次の通りです。

  1. 不動産会社に査定を依頼する
  2. 仲介を任せる不動産会社を比較検討し、仲介(媒介契約)を結ぶ
  3. 引き渡し猶予特約を踏まえた売却活動を開始する
  4. 買い手が見つかれば、特約を盛り込んだ売買契約を締結する
  5. 買い主が売買代金の決済を行う
  6. 売り主が新居に引っ越す
  7. 売却物件を買い主へ引き渡す

 

不動産売買契約に引き渡し猶予特約を付けるには、契約書へ次のような文言を盛り込みましょう。

  • 売買代金の支払い日から売却物件の引き渡しを猶予する期間(日数など)
  • 猶予期間中の物件の管理責任は売り主にあること(損失の賠償は売り主負担となるなど)
  • 固定資産税などの清算は引き渡し日を起算日とすること

 

引き渡し猶予を売却の条件に加える場合は、特約を付ける旨とその内容を買い手側に伝える必要があります。

 

不動産の売却は、不動産会社に仲介を依頼して、買い手を探してもらう方法が一般的です。

依頼の際は、引き渡し猶予特約を希望することを不動産会社側にあらかじめ相談しましょう。

 

引き渡し猶予特約を付けるなら信頼できる不動産会社選びを

引き渡し猶予特約を付けて売却する場合、通常の売却よりも売りづらくなるケースが多いです。

不動産会社の的確なサポートを受けられるかどうかが、売却スピードを左右する可能性が高いため、選定は慎重に行う必要があります。

 

不動産を売る際は、物件の価値を調べるために査定を依頼します。

その際、引き渡し猶予特約を踏まえた売却を希望すると伝えておくとスムーズです。

 

どの会社に依頼するかの当てがない場合は、不動産一括査定サービスを利用し、複数社に依頼をかけて、対応を比較するのがおすすめ。

 

比較ポイントは、親身になってくれるか、査定価格の根拠をきちんと説明してくれるか、条件付きでも売却するノウハウがあるかなどです。

信頼して任せられる不動産会社を検討しましょう。

 

 

不動産の引き渡し猶予特約を付けるデメリットとは?

デメリット

不動産の引き渡し猶予特約を付けると、次のようなデメリットがあります。

  • 買い主にリスクはあるがメリットはないので、買い手が付きにくい
  • 値下げ交渉をされるケースがある

 

よって、なかなか売れない、買い手が現れても通常より売却価格が安くなるといった可能性が考えられます。

 

買い主が不安に思うリスクとは?

引き渡し猶予を設けると、売買代金を支払ってもすぐに新居に住めないデメリットがあるため、猶予特約を踏まえた売却は避けられる傾向があります。

 

売り主が猶予期間を過ぎても出ていかない可能性があることは、買い主にとって最大のリスク。

新居を購入するための住宅ローン審査を通過できないといった理由で、明け渡しを待ってもらいたい売り主とトラブルになることを心配する買い主も多いでしょう。

 

不動産会社に直接売却し「リースバック」する方法も

売り先行で新居の購入資金を作りたいけれど、2回の引越しや引き渡し猶予はしたくないという場合は、リースバックという方法もあります。

 

リースバックとは、不動産賃貸業を扱う不動産会社などに家を売り、売却後に家賃を払って家を借りる方法で、売却後も自宅に住むことが可能です。

 

引越し代にお金をかけたくない、売却後にじっくり新居を探したいと希望する場合は、リースバックも手段の一つとして、不動産会社に相談してみると良いでしょう。

 

 

不動産の引き渡し猶予特約を付けるならデメリットも検討を

不動産の引き渡し猶予とは、売買契約時に特約を付けることで、買い主に物件の引き渡しを一定期間(1週間前後)待ってもらうこと。

買い替えの方法として自宅を売ってから新居を購入する「売り先行」を選ぶ場合、仮住まいに一時転居するか、買い主に引き渡し猶予を頼む必要があります。

 

引き渡し猶予特約は、買い主にとって「売り主が猶予期間を過ぎても退去しない」リスクはあっても、メリットはありません。

 

値下げ交渉の原因となったり、そもそもの買い手が付きづらかったりと、スムーズに売却できない恐れも。

信頼できる不動産会社を探し、うまく売却活動を進めることが重要です。

 

不動産会社に直接売却したあと賃貸として住み続ける「リースバック」も検討してみましょう。

 

栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。

不動産の引き渡し猶予とは?特約を付けるデメリットもご紹介!

大田原店 滝田 絵里花

不動産の売却はどんなふうに進めたらいいのか、ご心配なことや不安なことがたくさんあるかと思います。安心いただけるように売却の方法や流れもわかりやすくご説明致します。

無料査定

不動産売却なら多くのお客様から
信頼いただいている
当社にお任せください!

ご相談・お問合せ

不動産に関するご相談・
お問い合わせはこちらから

その他の不動産売却の基礎知識

閉じる
バナー