不動産売却の基礎知識

不動産売却時に売買契約書がない!対処法は?

​​こんにちは。栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。

 

「不動産を売却しようとしたところ、購入時の売買契約書が見つからない」

このような状況でお困りではありませんか?

 

売買契約書は不動産取引における重要書類ですが、紛失してしまうケースも少なくありません。

 

今回は、不動産売却時に売買契約書がない場合の問題点と対処法について解説します。

売買契約書を紛失してしまったときの再取得方法や、どうしても見つからない場合の代替手段まで、具体的な対応策をご紹介します。

 

不動産売却を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

不動産売却契約書

 

 

売買契約書がない場合の不動産売却の問題点

不動産売却時に売買契約書がないと、主に確定申告時に問題が発生する可能性があります。

具体的にどのような問題が起こる可能性があるのか、詳しく見ていきましょう。

 

確定申告時の取得費証明ができない

売買契約書がない場合の主な問題点は、確定申告時に物件の取得費を証明することが難しくなること。

不動産を売却をする際は、譲渡所得に対する税金を納める必要があり、譲渡所得を計算するには、不動産を購入した際の「取得費」が必要です。

 

取得費が証明できない場合、概算取得費として認められるのは売却価格の5%です。

 

これは、取得費が高額だった場合に不利な条件となる可能性があります。

 

また、概算取得費を使用した場合、居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除などの特例が、条件によっては適用できなくなるケースもあります。

 

補足:ローン借り換え時の影響

なお、売買契約書は、不動産売却時だけではなく、住宅ローンの借り換え時にも必要となります。

銀行が物件の価値を確認する際に使用するためです。

 

売買契約書がない場合、借り換えの手続きに時間がかかったり、条件が不利になったりする可能性があります。

 

不動産売却時には、売買契約書以外にもさまざまな書類が必要となります。

不動産売却での必要書類については、こちらのコラムもご参考ください。

不動産売却の必要書類は?入手方法や注意点を詳しく解説

 

 

売買契約書がない時の対処法は?

売買契約書がない場合でも、いくつかの対処法があります。

ここでは、具体的な方法とその手順について詳しく説明します。

 

不動産会社や売主に連絡してコピーをもらう

まず試すべき方法は、物件を購入した不動産会社や売主に連絡し、売買契約書のコピーをもらうことです。

 

不動産会社の場合、宅建業法により、最低5年間の取引台帳の保管が義務付けられています。

ですが、5年間はあくまで最低期間で、それ以上の期間保管している不動産会社も多いです。

 

購入から時間が経っていても、一度問い合わせてみる価値はあります。

 

署名捺印をもらって再発行する

不動産会社や売主が原本を保管していない場合は、売買契約書の再発行を依頼することも可能です。

この場合、売主と仲介した不動産会社の署名と捺印が必要になります。

 

再発行する際は、収入印紙を貼付する必要があるので注意しましょう。

 

手順は次の通りです。

  1. 売買契約書の内容を可能な限り正確に再現する
  2. 売主と不動産会社に連絡を取り、再発行の協力を依頼する
  3. 双方の署名と捺印をもらう
  4. 適切な金額の収入印紙を購入し、貼付する
  5. 完成した再発行版の売買契約書を保管する

 

代替となる書類を集める

売買契約書そのものが入手できない場合は、購入金額がわかる代替書類を集めることも有効です。

 

以下のような書類が代替として使える可能性があります。

  • 購入時のパンフレット
  • 領収書
  • 通帳の振込履歴
  • 住宅ローン借入の際の書類
  • 住宅ローン控除のための確定申告書
  • 仲介業者の計算明細書

 

できるだけ多くの資料を集めることで、購入金額の信憑性を高めることができます。

 

 

どうしても売買契約書や代替書類が見つからない場合の対応

不動産売却

あらゆる方法を試しても売買契約書や代替書類が見つからない場合は、以下の方法を検討してみましょう。

 

概算取得費を使用した確定申告の方法

売買契約書や代替書類が見つからない場合、確定申告時に概算取得費(売却価格の5%)を使用することになります。

税金が高くなってしまう可能性がありますが、他の選択肢がない場合の対応策の一つです。

 

例えば、4,000万円で購入した物件を3,500万円で売却した場合を考えてみましょう。

 

本来の計算

  • 譲渡所得 = 3,500万円 − 4,000万円 = − 500万円(損失)

 

概算取得費を使用した場合の計算

  • 概算取得費 = 3,500万円 × 5% = 175万円
  • 譲渡所得 = 3,500万円 − 175万円 = 3,325万円(利益)

 

この例では、本来なら譲渡所得は発生せず、税金も発生しません。

しかし、概算取得費を使用すると3,325万円の譲渡所得が発生したことになり、税金の支払いが発生します。

 

概算取得費を使用する際の手順は、以下の通りです。

  1. 売却価格の5%を概算取得費として計算する
  2. 譲渡所得を「売却価格 − (概算取得費 + 譲渡費用)」で算出する
  3. 算出した譲渡所得に基づいて税金を計算し、確定申告を行う

 

市街地価格指数を利用した計算方法

取得費の算出方法として、市街地価格指数を利用する方法もあります。

これは、日本不動産研究所が公表している地価動向を示す指標で、過去の取得価格を推定する方法です。

 

市街地価格指数を利用する手順は、次の通りです。

  1. 日本不動産研究所のウェブサイトから、該当地域の市街地価格指数を調べる
  2. 購入時と売却時の指数の比率を計算する
  3. その比率を用いて、売却価格から購入時の推定価格(取得費)を逆算する
  4. 算出した取得費を用いて譲渡所得を計算する

 

ただし、この方法が認められるかどうかは税務署の判断になります。

事前に税務署に確認することをおすすめします。

 

 

売買契約書紛失を防ぐための保管方法

今後同じような問題に直面しないよう、売買契約書の適切な保管方法を知っておくことが大切です。

保管方法とその利点について説明します。

 

デジタル化して保存する

売買契約書をスキャンしてデジタル化し、クラウドストレージなどに保存しておくと安心です。

紙の原本を失っても、デジタルデータがあれば万が一の際に役立ちます。

 

メリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 劣化や紛失のリスクが低い
  • 必要な時にすぐに取り出せる
  • バックアップが容易
  • スペースを取らない

 

耐火金庫などの安全な場所に保管する

原本は、耐火金庫などの安全な場所に保管しましょう。

他の重要書類と一緒に整理して保管することで、紛失のリスクを減らすことができます。

 

次のような点がメリットとして挙げられます。

  • 火災や水害からの保護
  • 盗難のリスク低減
  • 重要書類をまとめて管理できる

 

これらの方法を組み合わせることで、売買契約書の紛失リスクを大幅に減らすことができます。

不動産取引に関する書類は長期間保管する必要があるため、計画的な管理が大切です。

 

 

不動産売却時に売買契約書がない場合も慌てずに対処しよう

不動産売却時に売買契約書がない場合、主に確定申告時に問題が生じる可能性があります。

 

しかし、不動産会社や売主への問い合わせ、代替書類の収集など、いくつかの対処法があります。

どうしても書類が見つからない場合は、概算取得費の使用や市街地価格指数の利用といった方法も検討してみましょう。

 

売買契約書は重要な書類なので、今後は適切に保管し、紛失を防ぐことが大切です。

デジタル化をしたり、耐火金庫に保管したりと、なくさないよう工夫すると安心です。

 

売買契約書に関して不安な点がある場合は、早めに不動産会社などの専門家や税務署に相談することをおすすめします。

 

栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」にぜひご相談ください。

お客様の不動産売却をできるだけ良い条件で査定・売却できるよう正しい姿勢で対応いたします!

 

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