不動産売却の基礎知識

管理費滞納中のマンションは売却可能?滞納時の対処法も解説

こんにちは!栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の小川です。

 

マンションを購入した場合、管理費や修繕積立金を支払う義務が発生します。

これらはマンション管理のために必要なお金で、入居者全員が平等に支払う必要があるものです。

 

しかしこれらは滞納していてもすぐに催促が届かないため、滞納していることに気付かないケースも珍しくありません。

マンションを売却しようと思ったら実は滞納していた...なんてことも考えられるのです。

 

そこで今回は、マンションの管理費を滞納したまま売却することはできるのか、また、滞納してしまった場合の対処法を詳しく解説します!

 

 

マンションの管理費を滞納したらどうなる?

まずはマンションの管理費や修繕積立金とはどんなものなのか、管理費を滞納してしまった場合はどうなるのかについて解説していきます。

 

マンションの管理費・修繕積立金はマンション管理に不可欠な費用

マンションの管理費とは、マンションの共有部分の管理に使われるお金のことです。

ゴミ置き場やエレベーター、廊下やエントランスなど共有部分の電気代などに使われ、入居者が快適に過ごすために必要な費用となります。

 

一方の修繕積立金とは、マンションの修繕工事のために必要な積立金です。

ほとんどの場合は外壁や水漏れなどの経年劣化によるものの修繕に使われます。

 

どちらもマンションの資産価値を保つために必要な費用で、マンションの入居者全員に支払う義務があります。

長期間にわたって滞納している入居者がいると、マンションの入居者全員に迷惑がかかってしまいます。

 

管理費・修繕積立金の滞納は珍しくない

実は、マンションの管理費や修繕積立金の滞納は珍しいことではありません。

 

滞納してしまう背景には、経済や雇用の状況が関わっていることが多いです。

マンションを購入したときには無理なく払えると思っていても、その後に収入が減ったり職を失ったりして管理費や修繕積立金、住宅ローンまで支払えなくなる人も少なくありません。

 

住宅ローンは、支払いが滞った場合すぐに金融機関から督促電話がかかってきます。

しかし管理費や修繕積立金はすぐに連絡がくることは少なく、差し押さえなどもすぐには起こりません。

そのため、「払えるようになってから払えばいいか...」と、後回しになってしまったり、そのまま忘れてしまったりするケースも多いのです。

 

滞納し続けていると追い出されてしまう可能性も

とはいえ滞納し続けてしまうことは決して良いことではありません。

マンションの維持に関わる管理費や修繕積立金を滞納し続けていると、最悪の場合マンションを追い出されてしまうこともあります。

 

しかし、いきなりマンションに住めなくなるわけではなく、管理組合によって下記の手順で手続きが進められます。

 

1.管理組合から督促・内容証明が届く

マンションの管理費や修繕積立金を滞納すると、まずは管理組合から電話や書面で督促が届きます。

場合によっては担当者が訪問するケースもあります。

 

督促を無視していると内容証明が届き、再度支払いを求められます。

 

2.理事会や総会で報告される

支払督促を無視し続けてしまった場合、理事会や総会で報告が行われ、どのように対応すべきか協議されます。

 

理事のメンバーは同じマンションに住んでいる区分所有者であることが多く、住人として顔を合わせることも多いはずです。

滞納が公になってしまうと気まずさを感じてしまうこともありますので、督促が届いた時点で対処するに越したことはないでしょう。

 

3.裁判・差し押さえ・競売

それでも支払いをしないで放置すると、管理組合によって法的措置をとられることになります。

管理組合によって裁判が起こされ、判決を無視すると貯金や給料・資産などを差し押さえられます。

さらに住んでいたマンションは競売にかけられ、追い出されてしまうことに…。

 

通常競売による資金は金融機関が優先的に回収できますが、滞納による競売は、区分所有法という法律によって認められています。

 

ここまでくると滞納額を支払っても解決できません。

滞納の遅延損害金や裁判にかかる費用、競売に必要な費用も上乗せされて請求されることになります。

 

 

マンションの管理費を滞納したまま売却できる?

マンションの管理費や修繕積立金を支払える目処が立たない、だけど競売によって追い出されるのは避けたい、そんな状況で考えるのは「売却」だと思います。

滞納したままマンションを売却することはできるのでしょうか。

 

結論から言うと、管理費・修繕積立金を滞納したままでもマンションを自ら売却することは可能です。

しかし、注意点があるので確認しておきましょう。

 

売却時には滞納の状況を告知する必要がある

管理費や修繕積立金を滞納したままマンションを売却すると、滞納していたそれらの費用は次の入居者、つまり買主にも支払う義務が発生します。

 

そのため、売主はマンションを売却する際に重要説明事項の中で告知しなければいけません。

滞納の事実を隠して売却した場合、損害賠償が求められることがあるので注意が必要です。

 

多くの場合は、売却金額から管理費や修繕積立金の未納分を精算することになりますので、実質的には買主ではなく売主が負担することになるでしょう。

 

また、支払い義務があるマンションとなると買い手が見つかりにくくなるので、売却金額が相場より安くなってしまうことも考えておかなければいけません。

 

住宅ローン残金が多い場合は任意売却を検討する

売却金額が住宅ローン残金よりも多い場合は、売却金で残りのローンを一括返済することで売却が可能です。

しかし、売却金額より住宅ローン残金が多く、売却時に一括でローンを返済しきれない場合は通常の売却ができないため、「任意売却」を検討することになります。

 

任意売却は、金融機関に売却の許可を得たうえで、マンションを売却する方法です。

競売にかけられた場合とは異なり、通常の相場での売却が可能です。

 

任意売却を行う場合、金融機関は売却金からマンション管理費や修繕積立金の滞納額を支払うことを認めてくれるケースも多いです。

 

ただし、延滞損害分や駐車場代の滞納額分は認められないケースがほとんどです。

また、任意売却のデメリットとして信用情報機関のブラックリストに載ってしまうという点には注意が必要です。

 

住宅ローンが残った不動産の売却については、下記のコラムもあわせてご参考ください。

住宅ローン残債がある家は売却可能?方法や確認点を知っておこう

 

 

マンションの管理費を滞納してしまったときの対処法とは?

マンションの管理費や修繕積立金を滞納してしまった場合、どのような方法で対処すれば良いのでしょうか。

きちんと対処すれば大事には至らないことが多いので、滞納してしまっても焦らず正しい対処法をとることが大切です。

 

放置は絶対にNG

支払わなければいけない費用を滞納してしまった場合にやってはいけないことが、「放置」です。

 

万が一マンションの費用を滞納してしまった場合でも、管理組合は最初から法的措置に進むわけではなく、電話や書面などで支払いを求めてくることがほとんどです。

 

中には、「支払えるお金ができてから連絡しよう」「忙しいから後回しにしても大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんが、ご自身の都合は管理組合には関係ありません。

放置することだけは絶対に避け、法的措置をとられてしまう前にきちんと対応するようにしましょう。

 

返済の意思があることを伝える

管理組合と連絡を取ったら、まずは第一に滞納の事実を認め、謝罪することが大切です。

その上で、滞納の事情を説明し、返済の意思があることは必ず伝え、返済方法や返済期間などについて相談をしましょう。

 

一方的に返済期限を延長するよう頼み込むのではなく、支払える範囲で少しずつ返済していくことをおすすめします。

誠心誠意対応することで、法的措置は避けられることもあるでしょう。

 

「今後も管理費や修繕積立金の支払いが難しそう」という場合は、先ほどお伝えした通り、滞納中でも売却は可能ですので、売却も検討してみてくださいね。

 

 

管理費滞納中のマンションでも売却可能!ただし売れにくい場合も

マンションを購入したら必ず毎月支払わなければいけない管理費や修繕積立金。

マンションの入居者全員に影響があるこれらの資金を滞納してしまうと、法的措置によって追い出されてしまう可能性もあります。

 

管理費・修繕積立金を滞納している場合でも売却をすることは可能ですが、滞納の事実を重要説明事項の中で告知しなければいけません。

そのため買主が見つかりにくくなることもあるので注意が必要です。

 

売却金額よりも住宅ローン残金が多くなってしまう場合には、任意売却を検討してみてください。

 

管理費や修繕積立金を滞納してしまった場合に重要なのは、無視をせずにきちんと対応することです。

今すぐに返済が不可能な場合は、返済の意志があることは必ず伝え、少しずつでも返済していきましょう。

 

今後も管理費・修繕積立金の支払いが難しいと感じる場合は、売却も一つの方法です。

 

栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。

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