家の売却後にやることとは?確定申告の流れや注意点を解説
こんにちは。栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
売り出した一戸建てやマンションに買い手がついても、まだ不動産売却は完了していません。
決済や引越し、場合によっては確定申告も必要になるでしょう。
「家の売却後にやることってなんだろう?」「売却後の流れや確定申告についても知りたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、家の売却後にやることの流れについて解説します。
確定申告が必要なケースや、売却後の注意点もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
家の売却後にやることの流れ
物件の購入希望者と売買契約を結んだあと、家の売却が決まってからは次のような流れで進んでいきます。
- 決済
- 登記手続き
- 売却物件からの引越し
- 売却物件の引き渡し
- 確定申告
1つずつ解説していきます。
1. 決済
決済とは、物件の売却代金を買い主が売り主に支払うことを指します。
通常、金額の一部は手付金として売買契約時に支払われますので、決済日には残代金を受け取るということですね。
一般的に、決済の場には当事者のほか、不動産会社や司法書士も同席します。
司法書士により、売買契約書に記載の金額がすべて受領されたか確認が完了すれば、決済は完了です。
2.登記手続き
決済の次の手順として、司法書士による登記手続きが進められます。
まず行なわれるのは「所有権移転登記」です。
売り主から買い主へと物件の所有権を移し、所有者を変更する手続きですね。
売り主が支払われた売却代金でもって、住宅ローンの残債を返済するなら、「抵当権抹消登記」も行なわれます。
融資元が物件を担保とする「抵当権」を消滅させる手続きです。
買い主が住宅ローンを使って購入する場合は、「抵当権設定登記」も行なわれます。
3.売却物件からの引越し
決済・登記手続きが済めば、あとは物件の引き渡しに進みますが、引き渡しには前もって引越しが必要です。
引き渡し日に間に合うよう、余裕をもって引越しの日を調整することをおすすめします。
引越しは売却の前後どちらが良いか気になる方は、それぞれのタイミングのメリット・デメリットを「家を売却する際、引っ越しのタイミングはいつ?手続きや費用もご紹介」で解説しています。
ぜひあわせてご参照ください。
4.売却物件の引き渡し
物件を空き家にして、買い主に鍵を渡せば、引き渡しの完了です。
5.確定申告
厳密にいえば、不動産売却は物件を買い主に無事引き渡した時点で完了といえます。
しかし、売却の結果として確定申告を行なわねばならないケースもあり、売却の翌年の2月16日〜3月15日までに申告しないと、ペナルティを科される恐れがあります。
確定申告書など、主に次のような必要書類を用意し、確定申告を行いましょう。
- 申告書第一表・第二表
- 申告書第三表(分離課税用)
- 土地・建物用の譲渡所得の内訳書
- 売買契約書のコピー
- 取得費および譲渡費用等がわかる領収書のコピー
- 売却物件の登記事項証明書
- マイナンバーカード、本人確認書類(運転免許証など)
トラブルを回避するために、売却の最終段階として、確定申告が必要になるかもしれない、と知っておくことが大切ですね。
家の売却後は確定申告が必要な場合も
では、家の売却後に確定申告が必要になる場合とは、どのようなケースでしょうか。
必要となるケースを見ていきましょう。
「譲渡所得」が発生した場合
基本的にはまず、家の売却によって売却利益「譲渡所得」が発生した場合に、確定申告が必要になります。
譲渡所得とは、売却代金から、物件の取得・売却にかかった費用を差し引いた残りの金額で、売却で発生した利益を指します。
計算式で表すと「売却代金-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得」となります。
売却価格が費用を上回り、残りの金額がプラスになれば、確定申告が必要になるということですね。
譲渡所得が発生すると、「譲渡所得税」という税金の課税対象となり、支払う税額は「譲渡所得金額×税率」で計算します。
税額は、売却した年の1月1日時点の不動産の所有期間によって違います。
- 所有期間が5年を超える場合:長期譲渡所得
- 所有期間が5年以下の場合:短期譲渡所得
また、内訳として次のように所得税、復興特別所得税(※)、住民税を含みます。
所得税 | 復興特別所得税 | 住民税 | 合計 | |
長期譲渡所得 | 15% | 0.315%(15%×2.1%) | 5% | 20.315% |
短期譲渡所得 | 30% | 0.63%(30%×2.1%) | 9% | 39.63% |
※平成25年(2013年)1月1日から令和19年(2037年)12月31日までは復興特別所得税(所得税の2.1%相当額)が課されます。
特例措置を使う場合
譲渡所得が発生した場合は確定申告が必須ですが、譲渡所得に特例措置を使って節税したい場合にも、確定申告が必要となります。
実は、譲渡所得税額を計算する際、税率を乗算する前に特例を利用すると、譲渡所得金額から「特別控除額」の差し引きが可能です。
式に表すと、「(譲渡所得金額-特別控除額)×税率」となります。
家の売却時に使える主な特例には、次のようなものがあります。
- マイホームを売ったときの特例
- 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
- 特定のマイホームを買い換えたときの特例
- マイホームを売ったときの軽減税率の特例
- マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
それぞれ適用には、所有期間の条件や自宅を売るといった要件があります。
共通として必要な手続きが、確定申告をすることです。
特例措置を活用できれば、譲渡所得金額から一定金額を差し引けたり、税率が低くなったり、譲渡所得がマイナスになった場合に、ほかの所得と通算したりできます。
詳しい特例措置の内容や、確定申告の流れについては、「不動産売却で確定申告は必要?手続きの流れや必要書類など解説!」にて詳しく解説しています。
あわせて参考にしてください。
家の売却後に注意することも確認
家の売却後に注意することとして、次の2点があります。
- 引き渡し日に間に合うよう引越し日を調整する
- 確定申告を忘れるとペナルティがある
それぞれご説明しますね。
まずは、物件の引き渡し日に間に合うように、家の掃除を済ませて引越しをする必要があります。
決められた日に引渡しできないと、損害賠償や契約解除を求められる恐れがあるからです。
3月〜4月と9月〜10月は、進学や就職、人事異動などで人の移動が多い時期です。
タイミングが引越し業者の繁忙期に重なると、ギリギリの状況ではサービスの申し込みを受けてもらえない場合もあるので、早めの準備・調整を行ないましょう。
そして、先にお伝えしたとおり、売却後に確定申告が必要なケースもあります。
申告を忘れると、もともと納める金額のほかに「無申告加算税」が上乗せされたり、「延滞税」が課されたりといったペナルティがあるので、期限内に申告できるよう注意が必要です。
申告を忘れてしまった場合の対処法は「不動産売却後の確定申告を忘れたら?対処法やペナルティを確認」で解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。
家の売却後にやることを事前に確認し、確定申告まで漏れなく進めよう
家の売却後、買い主が決まってからも、決済、登記手続き、引越しに引き渡しとやることが続きます。
売却益「譲渡所得」が発生した場合は、確定申告も必要です。
問題なくスムーズに進められるよう、事前に手順を確認しておきましょう。
引越しは、業者の繁忙期に当たると依頼を受けてもらえないこともありますので、時間に余裕をもって準備を進めることが重要ですね。
確定申告が期限内にできないと、無申告加算税などペナルティを受けるリスクがあります。譲渡所得がなくても、特例措置を活用するなら申告が必要になります。
節税のポイントとして知っておきましょう。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。
那須塩原店 土屋 清