付帯設備表とは?不動産売買に必要な理由や記載する内容を確認!
こんにちは!栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」の土屋です。
付帯設備表とは、売却した不動産とともに残していく家具や設備を記載した表のこと。
家の状態について記した「物件状況確認書」とあわせて、買主に物件の状況を知らせる重要な書類です。
「不動産会社に付帯設備表の記入を求められたけど、一体何を書いたらいいんだろう」と気になる方、そもそもなぜ記入が必要なのか疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は、不動産売買において付帯設備表が必要な理由、記載内容を解説。
注意点もあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
付帯設備表とは?不動産売買に必要な理由をご紹介
付帯設備表とは、売却物件とともに残していく家具や設備を記した表のこと。
物件の状態を示す「物件状況確認書」とあわせて、売買契約の際、買主に家の状況を説明するための重要書類です。
では、付帯設備表について詳しく確認するとともに、必要となる理由を解説します。
物件状況確認書の概要も簡単にご紹介しますね。
付帯設備表が必要な理由
付帯設備表は、売却物件とともに残す家具・設備を買主に明示するために作成します。
どの部屋にどんな家具があり、設備はどんな状況か、不具合や故障がないかといった具体的な説明を記載することで、売主と買主の認識の差を埋める役割を果たすものです。
たとえば、購入希望者が内覧に訪れた際キッチンに食洗器があったので「食洗器があるなら便利だな」と感じて、購入意欲が高まったとします。
しかし、実際に購入してキッチンを確認すると、食洗器は撤去済み。
「内覧のときはあったのに!」と買主が主張し、売却後にトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
付帯設備表に「食洗器は撤去する」と記載しておけば、売主と買主の認識の食い違いを防げます。
設備や家具の使用年数によっては、経年劣化による不具合が売却後に生じる可能性も。
そのため、特に中古物件の売買では、付帯設備表に使用年数や動作状況を記し、「起こり得る不具合」の可能性についても買主に伝えることが重要です。
物件状況確認書とは
物件状況確認書には、一戸建てやマンションなどの建物、土地自体の状態を具体的に記載します。
内容としては、不動産にある不具合など「瑕疵(かし)」を買主に知らせるものです。
たとえば、建物に雨漏りがあった履歴や、シロアリの被害による腐食があるなど、建物の不具合の有無、増改築や修繕、リフォームした履歴。
土地の場合は、土壌汚染や地盤沈下などです。
売買契約を結ぶ前に、売主が認識する瑕疵を買主に伝えておきます。
買主に伝えていない瑕疵が売却後に発見され、「こんな瑕疵は聞いていない!」と指摘されてしまうと、「契約不適合責任」を果たすよう求められる場合があります。
契約不適合責任とは、不具合があることを知っていながら買主に伝えないで契約してしまった際、売主が問われる責任のこと。
追完請求、代金減額請求、契約の解除をされてしまったり、損害賠償を求められることもあるため注意が必要です。
契約不適合責任について詳しくは「不動産の契約不適合責任を解説!瑕疵担保責任とは何が違う?」で解説しているので、ぜひあわせてご覧くださいね。
付帯設備表に記載する内容は?いつ書くもの?
先に伝えたとおり、付帯設備表は売主と買主の認識の差を埋めるために、物件に残していく設備や家具の状況を説明する書類です。
記載する内容に決まった形はありませんが、どの部屋にどんな設備・家具を残していくか、付帯設備の有無をチェックし、故障や不具合があれば箇所や状態も記します。
残す種類だけでなく、数もしっかり記入します。
項目は仲介を任せる不動産会社によって決められていることが多いですが、一般的には「主要設備」と「その他の設備」に大きく分けられ、それぞれ次のような内容が含まれます。
【主要設備】
- 給湯関係:給湯器、太陽熱温水器、湯沸かし器など
- 水回り関係
・キッチン設備:換気扇や食洗器、レンジ、ガステーブルなど
・浴室設備:浴槽やシャワー、浴室乾燥機など
・洗面設備:洗面台や鏡、くもり止めなど
・トイレ設備:保温機能や洗浄機能など
・洗濯設備:防水パン、洗濯用水栓など - 空調設備:冷暖房機、冷房機、暖房機、床暖房、換気扇など
【その他の設備】
- 照明関係:屋内照明器具、屋外照明器具
- 収納関係:床下収納、下駄箱、つり戸棚など
- 建具関係:雨戸、網戸、シャッター、障子、ふすまなど
- テレビ視聴:地上波TVアンテナ、衛生アンテナ
- その他:物干し、カーテンレール、車庫、物置、庭木など
給湯器や湯沸かし器、冷暖房機などは、電気・ガス・石油といった熱源も記入します。
いつ設置したものか、何年使用しているか、機能についても詳細に記し、扉の開け閉めをした際の動作状況など、現状でどの程度使用できるかを書いておきます。
ひび割れや欠け、破損・歪みがあればその数・その場所も記載します。
特定保守製品の対象物であることも注記する
「石油給湯器」「石油ふろがま」については、所有者では保守が難しく、経年劣化で重大事故を起こす恐れがある「特定保守製品」であることを覚えておきましょう。
事故防止のため、メーカーから点検時期を知らせ、製品購入者である所有者に点検を受けてもらう「長期使用製品安全点検制度」の対象となる製品です。
そのため、付帯設備として残す際は、売主は付帯設備表に「特定保守製品である」と記載し、買主に次の3点を伝える必要があります。
- 特定保守製品には、点検期間(メーカーが定めたもの)に点検を行う必要がある
- 点検を受けるために、所有者情報の登録・変更を行う
- メーカーへの連絡先は、製品に表示されている
付帯設備表は誰が・いつ作成する?
付帯設備表(および物件状況確認書)は、売主が記入します。
売買契約時に買主に渡す重要書類ですので、作成のタイムリミットは契約を結ぶ日まで。
ただし、契約日ギリギリになると焦って、記入漏れやミスが発生する可能性も高くなるので、なるべく早く取りかかることをおすすめします。
付帯設備表を作成する際の注意点
最後に、付帯設備表を作成するとき注意したい点もご紹介します。
設備や家具の確認を直前にも行うこと
付帯設備表には使えるかどうか、どんな問題があるかなど詳細に記すため、必ず事前に動作確認をしましょう。
あまり時間が空いてしまうと、その後に不具合が起きる可能性もあるため、前日に再度チェックすると良いでしょう。
その際、客観的に見た詳細を書くのもポイントです。
売主は「建具の扉が歪んでいるけど、開くから大丈夫」と思っても、買主は「開きにくくて不具合がある」と感じるかもしれません。
また、経年劣化で発生した不具合や傷、汚れなどを、売主が見逃してしまう可能性もあります。
売主が動作確認をしたあと、不動産会社のスタッフなど第三者に立ち会ってもらえば、認識のズレが起こりにくく、記載漏れも防ぎやすいでしょう。
黙って置いていくのはNG
付帯設備として残す家具や設備は、造り付けのものなど物件に直接付属している設備が主となり、基本的にタンスなど動かせる家具は売主が撤去すべきものです。
しかし、大型家具は処分費用も高く、できれば残しておきたいものも中にはあるでしょう。
撤去するか迷うものがあれば、買主にきちんと相談することが大切です。
黙って置いていくと、クレームのもとになりかねません。
まずは買主に相談し、合意を得て、付帯設備表に詳細を記入。
さらに、売買契約書へその旨を記載することでトラブルを回避できます。
売却する際の家の片付けについては「家の売却で片付けは大事!処分・保管方法や片付けのコツを解説」で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてくださいね。
また、トラブルを防ぐポイントとして、保証期間の設定も忘れず行いましょう。
期間を区切ることで、付帯設備表と異なる点があったとき、修繕費用などを負担する売主の責任を一定期間に限定できます。
付帯設備には、1週間程度の保証期間を設けるのが一般的です。
不動産売却後のトラブル回避には正確な付帯設備表の作成を
付帯設備表とは、売却物件に残す設備や家具の状況を示す表のこと。
売却物件の状態を記入する「物件状況確認書」とあわせて、売買契約の際、売主が買主に提示する重要書類です。
付帯設備表には、置いていく物の数や状態、不具合があればその詳細を記載します。
買主に引き渡したあと、「内覧時にはあった設備がない」「契約時にこんな不具合は聞いていない」などとトラブルにならないようにするため、細かく書いておく必要があります。
契約日ギリギリになると記入漏れなどが起こりやすいので、販売活動を始める前に記入し、内覧時に説明できるようにしておくと良いでしょう。
動作確認・不具合の有無のチェックは、不動産会社のスタッフなど第三者を交えて行うと、買主との認識のズレも起こりにくく、おすすめです。
栃木県で不動産の売却を検討している方は、栃木県・地域専門の不動産売買専門店「イエステーション」に、ぜひご相談ください。
那須塩原店 土屋 清